トルコ南部の大地震被災地に日本の研究者らが簡易住宅を寄贈

5万6000人以上が死亡したトルコ・シリア大地震を受け、日本の研究者らがトルコ南部の被災地に短時間で設置できる簡易住宅を寄贈しました。

ことし2月にトルコ南部で発生した大地震では隣国シリアと合わせて5万6000人以上が死亡し、いまもトルコ国内で250万人以上がテントでの避難生活を余儀なくされています。

こうした中、建築設計が専門の名古屋工業大学大学院の北川啓介教授(49
)が17日、日本のNGO関係者などとともにトルコ南部のアンタキヤを訪れ、短時間で設置できる簡易住宅3棟を寄贈しました。

北川教授はさっそく、地元の建設業者らに設置方法を説明し、ドーム型のテントに空気を入れて膨らませたあと、内側からウレタンを吹きつけて強度を高めるなどして、4時間ほどで広さ20平方メートルの簡易住宅が完成しました。

この簡易住宅は、北川教授が東日本大震災の被災者の声を参考にして開発したもので、断熱性にすぐれていて、コンテナの仮設住宅よりも安く設置できるということです。

今回贈られた簡易住宅は、アンタキヤ市役所の施設として活用されるということで、北川教授は「家を失った人に少しでも早く快適な家を届けられるよう、何度もトルコに来て地元の人のために尽力したい」と話していました。