「闇バイト」加担防止へ 大学新入生に注意呼びかけ 警視庁

SNSでいわゆる「闇バイト」に応募し、特殊詐欺や強盗などの実行役として加担する若者が相次いでいることを受けて、警視庁は都内の大学で防犯講座を開き、新入生に注意を呼びかけました。

いわゆる「闇バイト」をめぐっては、若い世代が特殊詐欺や強盗などの実行役として犯罪に加担するケースが相次いでいて、対策が喫緊の課題になっています。

7日は、警視庁の警察官が足立区の「帝京科学大学」を訪れ、学生たちにちらしを配って、特殊詐欺の「受け子」や「出し子」は詐欺罪に問われることや、闇バイトは「高収入バイト」とか「リスクが無い」などといった甘いことばで誘われることが多いことを伝えていました。

このあと、新入生に向けた講座が行われ、去年1年間の全国の特殊詐欺の被害額が361億円余りにのぼり、実行役が相次いで逮捕されていることを報告し、注意を呼びかけました。

警視庁によりますと、去年1年間に特殊詐欺に関わったとして検挙された793人のうち、63%余りが10代から20代で、生活費に困ったことを理由に大学生や高校生が犯罪に加担したケースもあったということです。

警視庁 千住警察署の大西利寛生活安全課長は、「楽をして稼げるアルバイトは絶対にない。少しでもあやしいと感じたら警察に相談してほしい」と話していました。

「闇バイト」に関わらないために

警視庁などによりますと、「闇バイト」を募集するSNSの投稿には、「楽して高収入」、「全額日払い」、「副業」、「リスク無し」、「書類・封筒を受け取るだけ」などといった甘いことばで誘い込むケースが目立つといいます。

ほかにも、特殊詐欺の「受け子」や「出し子」を表す「#UD」などと書かれていることもあって、こうした内容には注意が必要だとしています。

そのうえで、「闇バイト」に関わらないために、3つのポイントに気をつけてほしいとしています。

1つ目は「疑う」こと。
楽をして大金を稼げるアルバイトはないと考え、甘い文言で誘い込むような募集の投稿を見つけたら、犯罪ではないかと疑うことが重要だとしています。

2つ目は「調べる」こと。
少しでもあやしいと感じた場合は、その仕事の内容がどのようなものなのか、調べてほしいとしています。

3つ目は「相談する」こと。
自分がどのようなことをするのかさえわからないまま、関わることは絶対にせず、あやしいと思ったり、途中でグループから脅されて抜け出せなくなったりしたときには、周りの人や警察に相談してほしいとしています。