”危険な通学路” 全国7万6000か所余 約8割で安全対策が完了

全国の通学路のうち、安全対策が必要だとされたおよそ7万6000か所について、8割で対策が講じられたことが、交通安全対策に関する関係閣僚会議で報告されました。

会議は、岸田総理大臣も出席して5日午後に開かれ、公立小学校の通学路の安全対策の進捗について報告が行われました。

おととし千葉県八街市で、飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み児童5人が死傷した事故を受けて、国が通学路を点検した結果、対策が必要とされた危険な箇所は全国で7万6404に上りました。
このうち、およそ4万か所では、学校などによるソフト面での対策が必要とされ、昨年末までに98%で見守り活動や安全教育などの対応が取られました。

また、警察による対策が必要とされたおよそ1万7000か所では、信号機の設置や登下校時間帯の通行止めなどが95%で完了しています。

一方、およそ4万か所で必要とされた歩道や防護柵の設置などハード面の対策は、土地の買収に時間がかかっていることなどから、完了したのは67%にとどまっています。

全体では、昨年末時点で81%で対策が講じられていて、国はこども家庭庁を中心に今年度末までに暫定的な措置も含めて、すべての通学路で対策を行うことを目指すことになりました。

岸田首相「年度末までにすべてで対策を」

岸田総理大臣は、会議の中で「子どもが犠牲となる痛ましい事故が発生するなど、交通事故をめぐる情勢は依然として厳しい。すべての子どもが安心して通学できるための安全対策が重要だ」と指摘しました。

そのうえで、全国の通学路のうち、対象のおよそ8割で安全対策が完了したことを踏まえ「目標期間の令和5年度末までに、すべてで対策を講じることを目指して取り組んでもらいたい。あすから多くの学校で新学期が始まる。未来のある子どものかけがえのない命を守るべく、こども家庭庁が司令塔となって対策に万全を期してほしい」と指示しました。