「空飛ぶクルマ」実用化へ 運用の基本的な考え方の案まとめる

次世代の移動手段として開発が進む「空飛ぶクルマ」の実用化に向け、国などの協議会が運用の基本的な考え方の案をまとめたことが分かりました。2020年代後半以降には、「コリドー」という空の通り道のような専用の空域が設けられ、一部で従来の航空機より高い密度で運航されると想定しています。

世界で開発競争が進む「空飛ぶクルマ」をめぐっては、国や事業者などで作る協議会が実用化に必要な規制やシステムなどの検討を進めていて、この中で運用の基本的な考え方の案をまとめたことが、関係者への取材で分かりました。

案の中では、これまで明確なものがなかった「空飛ぶクルマ」の定義を、「電動化や自動化といった技術や垂直離着陸で実現される次世代の空の移動手段」などとしています。

機体はプロペラや翼によって3つのタイプに分類され、専用の離着陸場は「バーティポート」と呼んでいます。
新たな空の交通管理として、「空飛ぶクルマ」が頻繁に行き交えるよう、空の通り道のような専用の空域「コリドー」が設けられるとしています。

また、使用事例としては、都市内や都市間の移動、離島や山間部を結ぶ路線のほか、災害発生時の搬送などを挙げています。

そのうえで、導入の具体的な段階として、2025年ごろには商用運航が開始され、2020年代後半以降には専用空域「コリドー」の設置やビルの屋上など都市環境での「バーティポート」の開発も行われ、一部の都市で従来の航空機より高い密度で運航されると想定しています。

そして、2030年代以降には自律運航の開始に伴い、さらに高度化されるとしています。

この案は来週の協議会で正式に取りまとめられる予定で、これを踏まえ制度設計や開発などが進められる見通しです。