NTT 特殊詐欺対策で高齢者対象に番号表示サービスを無料提供へ

振り込め詐欺など特殊詐欺への対策を強化するため、NTTは、高齢者を対象に電話をかけてきた相手の番号を表示するサービスなどを、ことし5月から無料で提供することになりました。

NTT東日本と西日本の発表によりますと、無料で提供するのは、かけてきた相手の電話番号を表示する「ナンバー・ディスプレイ」と、非通知でかけてきた相手に対し、番号を通知してかけ直すよう音声で自動的に応答する「ナンバー・リクエスト」です。

これまでは、固定電話向けの追加サービスとして、月額でそれぞれ440円と220円で提供していましたが、ことし5月以降は70歳以上の人がいる世帯から申し込みがあった場合、無料で提供します。

また、録音した通話内容をAIが解析し、詐欺の疑いがある場合に本人や家族に通知する「特殊詐欺対策サービス」についても、ことし5月から2025年3月末までの期間、1万人を対象に無料で提供するということです。

警察庁によりますと、去年1年間の特殊詐欺の被害は1万7520件と2年連続で前の年を上回り、被害額は361億円にのぼるなど、依然として深刻な状況が続いています。

NTT東日本の北村亮太副社長は、「特殊詐欺に固定電話が使われているのは非常に残念な状況で、警察や自治体などと協力しながら引き続き対策を強化していきたい」と話しています。