違法な盛り土を宇宙から監視 静岡県が実証実験へ

静岡県熱海市で起きた土石流を受けて、静岡県は、人工衛星が撮影する画像を活用して、違法な盛り土を監視する実証実験に新年度から乗り出す方針です。県によりますと、宇宙から盛り土を監視する取り組みは、全国の都道府県で初めてだということです。

熱海市で起きた土石流を受けて、県は違法な盛り土のパトロールを強化してきましたが、富士山のふもとなどの発見しづらい場所に造成されるケースもあり、監視の難しさが指摘されています。

そこで県は、人工衛星が撮影する画像を活用して、盛り土を監視する実証実験に新年度から乗り出す方針を決めました。

具体的には、富士山のふもとのおよそ900平方キロメートルの範囲が撮影された画像を年に4回購入し、土地の形状などが変化した場所をAI=人工知能で抽出します。

森林の伐採など、盛り土が造成される兆候が確認された場合、周辺に監視カメラを設置したり、パトロールを強化したりするということです。

県は、17日に打ち上げが予定されている日本の新たな主力ロケット「H3」の初号機に搭載される、地球観測衛星「だいち3号」の画像も活用したい考えです。

県によりますと、宇宙から盛り土を監視する取り組みは、全国の都道府県で初めてだということです。