フィリピン司法省 入管の4人の身柄 同時に引き渡す方向で調整

国内で相次いでいる一連の広域強盗事件をめぐり、フィリピン司法省の報道官は、入管施設に収容されている日本人4人について、日本側の意向に応じる形で4人同時に身柄を引き渡す方向で調整していく方針だと明らかにしました。今後、早期の引き渡しが行われるかどうかが焦点です。

一連の広域強盗事件に関連して、日本の警察当局は、別の特殊詐欺事件などに関わったとして逮捕状を取っている渡邉優樹容疑者や今村磨人容疑者ら4人の身柄を引き渡すよう30日、フィリピン側に正式に要請しました。

これについてフィリピン司法省の報道官は31日夜記者団に対し「日本側は全員を同時に引き渡してほしいと求めている。一部の容疑者について引き渡しの準備が整ったとしても、日本政府の意向に従う」と述べて入管施設に収容されている4人を同時に引き渡す方向で調整する方針だと明らかにしました。

4人のうち3人はフィリピン国内で別の事件の裁判手続き中で、このうち2件の審理が今週、行われる予定だということです。

報道官は「裁判手続きが取り消されないかぎり引き渡しはできない」と強調した一方で、手続きが取り消されれば、4人全員の引き渡しの日程を決められるという考えを示しました。

フィリピン政府は来週予定されているマルコス大統領の日本訪問までに問題を解決したい意向を繰り返し示していて、今後、早期の身柄の引き渡しが行われるかどうかが焦点となっています。

入管施設内捜索で10台近くの携帯電話など押収

フィリピン国家警察と入国管理局は31日、日本側が身柄の引き渡しを求めている4人が収容されている入管施設の捜索を行い、10台近くの携帯電話など持ち込みが禁止されている物を押収したと発表しました。

捜索は31日午前2時ごろから行われ、携帯電話やノートパソコン、インターネットのルーター、それに50万ペソ、日本円にしておよそ120万円の現金などを発見し、押収したということです。

警察が公開した写真では10台近くの携帯電話やノートパソコンなどが机に並べられている様子が写されています。

一連の広域強盗事件を受けて、フィリピン当局は入管施設で職員が収容者から賄賂を受け取って携帯電話などを自由に使わせていた疑いがあるとして、対策を強化するとしています。