元横綱 白鵬 宮城野親方が断髪式 約20年の力士人生に区切り

大相撲で史上最多となる45回の優勝など数々の記録を打ち立てた元横綱 白鵬の宮城野親方が28日、断髪式に臨み、まげに別れを告げました。

元横綱 白鵬の宮城野親方は史上最多となる45回の優勝を果たしたほか、通算1187勝など数々の記録を打ち立てて、おととしの秋場所後に引退しました。

その後、部屋付きの親方として後進の指導に当たってきましたが、去年7月、宮城野部屋を継承し、部屋の師匠として新たなスタートを切っていました。

そして、引退からおよそ1年4か月がたった28日、東京 両国の国技館で断髪式に臨みました。

式に先立って、宮城野親方は最後の一番として中学2年生の長男、眞羽人さんと相撲を取り、館内をわかせると、太刀持ちに初場所で優勝した大関 貴景勝が、露払いに関脇 豊昇龍を従えて土俵入りに臨みました。

現役時代さながらの「不知火型」の土俵入りを力強く披露すると、大きな歓声と拍手が起きていました。

このあと、元横綱 稀勢の里の二所ノ関親方や、元横綱 日馬富士のほか、28日が75歳の誕生日だった母親のタミルさんなど300人近くがはさみを入れ、時折涙ぐむ場面もありました。

最後に横綱 白鵬を育てた先代の師匠で元幕内 竹葉山の間垣親方がはさみを入れて、大たぶさを切り落とし、およそ20年の力士人生に区切りをつけました。

整髪を行ったあと取材に応じた宮城野親方は「さっぱりしたなという気持ちと、体の一部がなくなって寂しい気持ちもある」と話しました。

そして、「これからは別の土俵での戦いが始まる。宮城野の名前に恥じないよう、早く横綱、大関を育てて相撲の発展につなげ、恩返ししたい」と決意を語っていました。

先代の師匠 間垣親方「涙が出そうになった」

元横綱 白鵬を育てた元幕内 竹葉山の間垣親方は「涙が出そうになった。あんなに小さな人間が横綱になって私は本当に幸せだった」と話しました。

そのうえで、「ここまでやってきた横綱はいないと思うので、今までやってきたことを若い力士に全部教えてほしい。そうすれば横綱になるような力士もでてくると思う。これからいっぱい強い弟子を育ててほしい」と激励していました。

元横綱 稀勢の里 二所ノ関親方「大きな山で壁は高かった」

元横綱 稀勢の里の二所ノ関親方は元横綱 白鵬の宮城野親方の大いちょうにはさみを入れたあと、「白鵬横綱の一時代がこれで終わったかなというちょっと寂しい気持ちはある。数々の大事な場面で対戦させてもらったが、横綱に敗北しながらも、それが成長につながっていた。横綱は大きな山で壁は高かったけど、それがあったからこそ僕の相撲人生があった」と話しました。

そのうえで、「これから大相撲を盛り上げるために一緒に頑張っていきたい」と話していました。