24日から今冬一番の寒波 “10年に一度の低温に” 大雪に備えを

この冬一番の非常に強い寒気が流れ込むため、24日から北日本から西日本の日本海側で大雪や猛吹雪となるほか、ふだん雪の少ない太平洋側の平地でも大雪となるおそれがあります。
全国的に10年に一度程度の低い気温になる見込みで、路面や水道管の凍結による被害が出るおそれもあります。予定の変更を検討するなど、大雪や低温への備えを進めてください。

気象庁によりますと、日本付近は24日から26日 木曜日ごろにかけて冬型の気圧配置が強まり、北日本から西日本の上空には、この冬一番の非常に強い寒気が流れ込む見込みです。

このため、北日本から西日本の日本海側を中心に大雪や猛吹雪となり、短時間で積雪が急激に増えるおそれがあります。

さらに、ふだん雪の少ない太平洋側の平地でも大雪となるおそれがあるほか、気象庁は、東京23区でも、24日の夜は雪が降り、うっすらと積もるところがある見込みだとしています。

24日夕方まで 24時間の降雪量予想

24日夕方までの24時間に降る雪の量は、いずれも多いところで、
▽東北で50センチ
▽北海道と北陸、近畿で40センチ
▽新潟県と東海、中国地方で30センチ
▽関東甲信で25センチ
▽九州北部で20センチ
▽四国で10センチ
▽九州南部で5センチ
と予想されています。

25日夕方まで 24時間の降雪量予想

さらに、その後、25日夕方までの24時間の降雪量は、
▽北陸と新潟県で70センチから90センチ
▽東北と関東甲信、近畿、中国地方で60センチから80センチ
▽東海で40センチから60センチ
▽北海道で30センチから50センチ
▽四国と九州北部で20センチから40センチ
▽九州南部で10センチから20センチ
と予想されています。

全国的に風も強まり、
【24日の最大風速は】
▽四国で25メートル
▽関東甲信と北陸、近畿、中国地方、九州南部、それに沖縄・奄美で23メートル
▽北海道と九州北部で20メートル
と予想され、

【各地の最大瞬間風速は】
▽30メートルから35メートルに達する見込みです。

また、北陸から沖縄・奄美にかけての広い範囲で大しけになると予想されています。

10年に一度程度の低い気温 “不要不急の外出控えて”

さらに、気象庁は、全国的にかなり気温が下がり、10年に一度程度の低い気温となる見込みだとしています。

25日の最低気温は、
▽札幌市でマイナス12度
▽長野市でマイナス9度
▽仙台市でマイナス6度
▽岡山市でマイナス5度
▽高知市や熊本市でマイナス4度
▽東京の都心と名古屋市でマイナス3度
▽大阪市でマイナス1度
などと予想されています。

気象庁は、大雪や猛吹雪、路面の凍結による交通への影響や暴風、高波に警戒するとともに、水道管の凍結や着雪による停電などにも十分注意するよう呼びかけています。

大雪が予想される地域では、車の立往生などが発生するおそれもあり、国土交通省は、不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。

各地の大雪に警戒が必要な期間(23日午前11時時点)

【東北】
24日朝から25日にかけてです。
【関東甲信】
24日朝から25日にかけて警報級の可能性が高くなっています。
【北陸】
24日朝から26日木曜日にかけてで、24日朝から25日は警報級の可能性が高くなっています。
【東海と近畿】
24日朝から25日にかけてです。
【中国地方】
24日朝から25日にかけて警報級の可能性が高くなっています。
【四国】
24日朝から25日にかけてです。
【九州北部と南部】
24日朝から25日にかけて警報級の可能性が高くなっています。

水道管が凍結したらどうする?

厚生労働省によりますと、ふだん気温がそれほど低くならない地域では、最低気温がマイナス4度以下になると水道管が凍結しやすくなります。

特に、屋外に出ていて、北向きで日陰になりやすい場所や風があたりやすい場所にある水道管は、凍結しやすいということです。

凍結を防ぐためには、外気がふれる部分を保温材やタオルで覆ったり少量の水を流したままにしたりするなどの対策が有効で、寒冷地では「水抜き栓」を使い事前に水を抜いておくことも大切です。

もし凍結した場合は、その部分を溶かすため、タオルなどを巻いてゆっくりとぬるま湯をかけるようにしてください。熱湯をかけると水道管が破裂するおそれがあります。

また、万が一、断水した場合に備えて飲料水を備蓄したり浴槽に水をためておいたりすると安心です。

水道管の凍結による断水は過去に相次いでいて、今回の予想と似たような非常に強い寒気が流れ込んで西日本の各地で記録的な大雪や低温となった2016年1月には、九州や四国、中国地方、近畿などの21の府県で50万4000戸あまりが断水しました。

厚生労働省は今月20日、全国の水道事業者や都道府県に対し、凍結の対策を指示していて「全国的に低温が予想されているため、各家庭でも備えを進めてほしい」と話しています。

寒さや大雪への備え 専門家に聞く

厳しい寒さや大雪への備えについて、日本赤十字北海道看護大学災害対策教育センター長の根本昌宏教授に聞きました。

停電や断水、物流の遅れが起きることも想定されることから、使い捨てカイロや湯たんぽなど電気を使わずに体を温められる手段を確保し、食料や日用品を3日分準備しておくことなどが必要だとしたうえで、「最も重要なことは、情報収集と連絡手段として大事なツールである携帯電話のバッテリーを切らさないことで、ポータブルバッテリーを用意しておくなどの準備を各家庭で必ずやってほしい」と呼びかけました。

一方、注意点としては、発電機を使用する場合は一酸化中毒の危険があることから、屋内ではなく必ず屋外で使用することや、使い捨てカイロや湯たんぽを長時間使用すると低温やけどのおそれがあるとして、就寝時には使用しないことをあげ、高齢者は低体温症になっていても自分で気付きにくいことから、周りの人がこまめに声をかけることが重要だと指摘しました。

根本教授は、「停電や断水などが起こった時に、使ったことのない道具を使おうとすると、事故を招く危険性があるので、キャンプで使う寝袋があれば、それを使うとか、自分が使い慣れたもので体を温めるなど、難しく考えずに、自分たちのできる範囲で安全対策を行ってほしい」と話していました。

木原官房副長官「最新の気象や交通の情報に十分注意を」

木原官房副長官は記者会見で、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置するとともに、関係省庁による災害警戒会議を開き、大規模な立往生の回避や災害が発生した場合の応急対応などの対策を確認・共有したことなどを説明しました。

そのうえで「最新の気象や交通の情報に十分注意し、大雪などが予想される場合は、不要不急の外出は控えてほしい。また除雪作業を行う場合は、事故防止のため1人では行わず、家族や近所の人に声をかけ、十分に注意してほしい」と呼びかけました。

“身近に手に入るアイテムで自宅の寒さ対策”動画が話題

全国的に厳しい寒さが予想される中、身近に手に入るアイテムで自宅の寒さ対策を紹介した動画がインターネット上で話題を呼んでいます。

これは30代の女性が去年11月に動画投稿サイトに公開したもので、今月20日時点で再生回数が80万回を超えるなど話題を集めています。

動画では、自宅の窓際にビニールのカーテンを追加で取り付けたり、冷気が入るのを防ぐプラスチックのパネルを取り付けた結果、室内の温度が上がったと説明しています。

このほか、100円ショップで手に入るこん包用のシートを窓際に取り付けるなど、簡単にできる寒さ対策の動画も公開しています。

女性によりますと、こうした対策によって、使用する電気の量が去年よりも抑えられているということで、視聴者からも「参考になった」などとコメントが寄せられているということです。
動画を投稿した女性は、「寒くなるということで、エアコンをつけたりすれば簡単に温かくできるが、それだと電気代も高くなってしまうので、まずは自分でできることから始めてみるのがいいんじゃないかと思います」と話していました。