薬の「電子処方箋」 今月から全国で運用開始 適切な服薬に期待

薬の処方箋を電子化し、医療機関と薬局の間でオンラインでやり取りする「電子処方箋」のシステムの運用が今月から全国で始まります。同じ薬の重複や、飲み合わせが悪い薬の処方を避けることなどがねらいで、適切な服薬につながることが期待されます。

薬の処方を受けるには通常、医療機関に紙の処方箋を発行してもらい薬局に持参する必要があります。

しかし、処方箋は医療機関ごとに発行されることから、別々の病院で同じ薬が処方され、高齢者を中心に、重複して薬を飲むケースが課題となっていました。

このため、厚生労働省は処方箋を電子化し、オンラインを使って、患者が服用している薬などの情報を医療機関と薬局の間でやり取りするシステムの運用を全国で始めることにしました。

これによって患者のデータが一元化され、医療機関が処方歴などを正確に把握できるようになるため、重複した処方や、飲み合わせが悪い薬の併用を避けられるなど、安全性が高まり適切な服薬につながると期待されています。

「電子処方箋」は山形県や福島県など4つの地域で、すでにモデル事業として行われていて、今月26日以降、システムを導入した全国の医療機関や薬局で順次、運用が始まります。