関東大震災から100年 当時の被害伝える特設サイト 気象庁

10万人以上が犠牲となった1923年(大正12年)の関東大震災から、ことし9月で100年です。気象庁は、当時の被害を伝える写真やデータなどの資料をまとめたウェブサイトを新たに立ち上げ、今後の防災に役立ててもらうことになりました。

1923年9月1日、神奈川県西部を震源とするマグニチュード7.9の地震が起き、激しい揺れによる建物の倒壊や津波、土砂災害、それに、東京や横浜を中心に大規模な火災が発生して、10万人以上が犠牲となりました。

関東大震災から、ことしで100年になるのに合わせて、気象庁は特設のウェブサイトを立ち上げ公開しました。

この中では、気象庁の当時の職員などが東京と神奈川県、それに静岡県で被害状況を撮影した23枚の写真が掲載されています。

東京駅前から日本橋方面を写した1枚では、一帯が焼け野原となっているのが分かるほか、神奈川県鎌倉市の寺の被災の様子や、高さ数メートルの津波が押し寄せた静岡県の海岸の様子なども写真から見てとれます。

このほかサイトでは、地震の揺れが北海道から四国・中国地方におよぶ広範囲で観測されたことや、当時観測された地震計の波形記録なども見ることができます。

さらに、関東地方で起きる地震の特徴や、過去の発生履歴などを図解で説明しているほか、詳しい資料へのリンクも紹介しています。

気象庁は今後、関東大震災の火災に伴って発生し、多くの犠牲者を出した「火災旋風」と呼ばれる現象や、当時の気象条件などを更新していくとしています。

気象庁は「関東大震災の被害の大きさを改めて知ってもらい、大規模な地震に備えるため、防災の知識を学んだり、家庭で話し合ったりするきっかけにしてもらいたい」としています。