忘年会の飲食店予約 コロナ禍前の7割まで回復も人手不足が課題

ことしの忘年会シーズンの全国の飲食店の予約がコロナ禍前のおよそ7割まで回復していることがわかりました。回復のスピードに対して飲食店の人手不足が課題だという指摘も出ています。

飲食店の大手予約サイトに登録する全国の店を集計したデータによりますと、今月23日時点で、来月の予約件数は、コロナ禍前の2019年の同じ月と比べて、69%まで回復していることがわかりました。

一方で、コロナ禍前とは違う特徴もあります。

1組当たりの人数をみますと、「4人以下」の割合が2019年の30.3%から、ことしは58.1%と大幅に増えています。

データを集計した会社では、従来の大人数での忘年会よりも、少人数で楽しむスタイルが定着していると見ています。

そのうえで、回復のスピードに対して飲食店の人手不足が課題だと指摘しています。

飲食店予約サイト「ホットペッパーグルメ」を運営するリクルートの宇佐川邦子ジョブズリサーチセンター長は「少人数の利用客が増えることで個室での利用やふき清掃の対応など店の業務量は格段に増えている。飲食店にとっては業務の効率化が課題だ」と話しています。

スマホで注文 IT活用で効率化や感染対策も

人手不足が続く飲食店のなかには、ITの活用で業務の効率化を進める動きも出ています。

東京 目黒区で17年前に開業したホルモン焼きの店では、今月の売り上げがすでに去年より20%近く増えていることから、忘年会シーズンの来月の予約も増加すると見込んでいます。

人手不足が心配されるなか、活用しているのが店員を介さずに客がみずからスマートフォンを使って注文できるシステムです。

これまで5人必要だった接客業務が4人で対応できるようになりました。

接触を減らすことで感染対策にもつながるとしています。

店の代表の阿部亮さんは「飲食店が止まってしまうと、店に食材を卸す肉屋さんも酒屋さんも困ってしまう。人手不足と言われる中でもモバイルオーダーなどをうまく使いながらできるかぎりやっていきたい」と話していました。