物価高 ひとり親家庭への影響深刻 支援団体「継続支援が必要」

物価高がひとり親家庭の生活に与える影響について支援団体が調査したところ「米などが買えないことがあった」と答えた人が56%にのぼり、団体は「ひとり親家庭への影響は深刻で継続的な支援が必要だ」と話しています。

この調査はこれまで支援を受けてきたひとり親家庭などを対象に支援団体の全国組織が先月、インターネットを通じて行ったもので、およそ2800人から回答がありました。

9日、オンラインで開いた記者会見で結果が公表され、このうち買い物については経済的な理由で「子どもの服や靴」が買えないことがあったと答えた人が81%、「肉や魚など」が75%となったほか、「米などの主食」が買えないことがあったと答えた人も56%にのぼりました。

食事については「親の食事の量や回数を減らした」が62%、「子どものおやつの量や回数を減らした」が36%、「子どもの食事の量や回数を減らした」が7%でした。

このほか電気、ガス、水道の光熱費をそれぞれ20%近くの家庭が滞納していると答えていて、物価高がひとり親家庭の生活に深刻な影響を与えている現状が浮き彫りとなりました。

調査を行った「シングルマザーサポート団体全国協議会」の赤石千衣子代表は「コロナに比べて物価高はすべての家庭に影響が及んでいて、このままでは親や子どもの健康やこころの状態が悪化すると危惧している。給付金が支給されても光熱費の支払いに消える家庭も多いと思う。政府には児童扶養手当の増額など継続した支援を行ってほしい」と話しています。

子どもたちへの影響 さまざまな訴え

調査に回答したひとり親家庭からは物価高が子どもたちに及ぼす影響について、さまざまな訴えが寄せられています。

例えば高校生など2人の子どもがいる家庭からは「修学旅行のお金の準備ができず行かせてあげられなかった」という声が寄せられたほか、中学生と高校生の子どもがいる家庭からは「学校の集金や部活動で必要なお金を支払うことができない」といった声があがっています。

さらに、小学生の子どもがいる家庭からは「おなかいっぱい食べさせることができず体重が減ってきている」と子どもの健康を危惧する声があるほか、同じく小学生の子どもがいる別の家庭からは「子どもに小さくなった服や靴を無理矢理履かせていることで足の爪が変形した」といった訴えも寄せられています。