踏切事故防止へ AIや3D画像解析で検知する新システム 西武鉄道

踏切での事故を防ごうと、取り残された人がいればAIや3Dの画像解析で検知する新たなシステムを、西武鉄道が来週から導入することになりました。3Dカメラによる踏切の異常検知システムの実用化は全国で初めてだということです。

踏切での事故は、昨年度までの5年間に1071件発生し、454人が死亡していて、お年寄りが踏切内に取り残されたことによる事故も相次いでいます。

電機メーカーなどと開発を進めてきた西武鉄道は、今回新たに踏切のカメラの映像から、AIで人の骨格を検知するものと、踏切の3Dカメラの画像解析で高さや厚みから人を認識するものの、2種類のシステムを導入することになりました。

いずれも、人や自転車などが遮断機がおり始めて以降、数秒間踏切内にとどまっている場合に異常を検知し、列車の運転士に停止信号を出して危険を知らせる仕組みです。

西武鉄道は、車が通らない小規模な踏切3か所で、今月14日から運用を始めることにしています。
国土交通省によりますと、踏切で人に特化して検知するシステムの実用化は、AIでは一部であるものの、3Dカメラを用いたものは全国で初めてだということです。

西武鉄道の犬塚隆晴信号通信課長は「これまでは居合わせた人に非常ボタンを押してもらう必要があったが、夜間や人がいない時も検知していくことで、踏切での事故を少しでも減らしていきたい」と話しています。