政府 12月1日から節電要請決定 数値目標設けず 来年3月末まで

政府は、この冬の電力需給が厳しい状況にあるとして、12月1日から全国を対象に数値目標を設けない節電要請を行うことを決めました。
室内では重ね着をするなど、無理のない範囲での節電に協力を求めることにしています。

西村経済産業大臣は11月1日の閣議のあとの記者会見で「夏に続いてこの冬も節電を要請することになるが、無理のない範囲で協力してほしい」と述べ、12月1日から来年3月末まで全国を対象に数値目標を設けない節電要請を行うことを決めたと発表しました。

冬の時期に節電要請を行うのは7年ぶりです。

この冬の電力需給は、供給の余力を示す「予備率」が全国で安定供給に最低限必要な3%を確保できる見通しであるものの、火力発電の主な燃料であるLNG=液化天然ガスの安定調達に向けて厳しい状況が続いています。

このため今回の節電要請では、家庭に対して、すべての世帯の消費電力を1%節電すると、コンビニおよそ1万5000店分の一日の消費電力に相当する電力を削減できるとしていて、室内では重ね着をするなどして、無理のない範囲で、暖房器具の設定温度を下げることや不要な照明を消すことなどを求めています。
また企業に対しては、すべてのオフィスで消費電力を1%節電すると、家庭およそ10万世帯分のエネルギーを削減できるとして、照明器具や空調などの使用を控えることなど、無理のない範囲での節電に協力を求めることにしています。

松野官房長官 “最低限必要な供給力は確保”

松野官房長官は記者会見で「数値目標を定めることで一定の効果は期待できるが、国民生活や経済活動に影響が出る可能性がある。ことしの冬は電力需給が引き続き厳しいものの、安定供給に最低限必要な水準の供給力は確保できていることから、一律の数値目標は定めない」と説明しました。

そのうえで「節電が進まない場合に、直ちに数値目標を定めることは考えていないが、電力需給の状況について国民に分かりやすい情報発信に努めることなどにより、無理のない範囲での節電、省エネへの協力をお願いしていきたい」と述べました。