自動飛行のドローンで津波避難呼びかけ システム運用開始 仙台

仙台市は津波警報などが発表された際、ドローンが直ちに飛び上がり、海岸沿いを自動で飛行して上空から避難を呼びかけるシステムの運用を始めました。

初日の17日は、仙台市宮城野区の下水処理場の屋上に設けられた基地局で実演が行われました。

ドローンは2機配備され、直径1メートルほどの大きさでJアラート=全国瞬時警報システムと連動しています。

大津波警報や津波警報、津波注意報が発表されると、風速や雨量を自動で計測し、飛行可能と判断すれば2機同時に離陸します。

そしてプログラムされた沿岸部のコースを50メートルほどの高さでおよそ15分かけて飛行しながら「巨大な津波のおそれ。避難を指示する」などといった音声を流して、釣りをしている人や海水浴客などに避難を呼びかけます。

ドローンにはカメラも搭載されていて、飛行中に撮影された映像は市の災害対策本部に送られ、状況の確認や避難の誘導につなげます。

東日本大震災では、津波の避難誘導にあたっていた市の職員が津波に巻きこまれたほか、海岸付近では防災無線の音声が届きにくい場所があることから、より安全な方法で避難を呼びかけるために仙台市が国の補助金を活用しておよそ1億7000万円かけて整備したということです。

仙台市によりますと、災害時でもつながりやすい専用の通信網で制御し、自動で津波からの避難を呼びかけるドローンの運用は世界で初めてで、ヘリコプターよりも出動が早いうえ、低空から呼びかけができるという利点があるということです。
仙台市危機対策課の佐々木朝一郎課長は「より柔軟に避難を呼びかけられるよう開発した。当面はこのコースで運用し、効果を見極めていきたい」と話していました。