真夏日から一転 11月並みの日も… 暖房器具の事故に気をつけて

あれ、寒い!
家を一歩出て、そう感じた方もいたのではないでしょうか。
全国的に7日にかけて気温が低い日が続く見込みで、一気に季節が進んだような天気になります。
久しぶりに暖房器具を使おうかな…と考える方もいるかもしれません。
事故を起こさないために何に気をつけるべきか、ポイントをご紹介します。

“真夏日”から一転 肌寒い一日に

4日まで、ほぼ全国的に気温の高い日が続きましたが、5日の日中は一転して気温が上がらず肌寒い一日となりました。
7日にかけて気温の低い日が続き、最高気温が11月並みとなる日もある見込みで、体調の管理に注意するようにしてください。

気象庁によりますと、4日は東日本や西日本など各地で最高気温が30度以上の真夏日となりましたが、5日は北からの寒気の影響で一転して肌寒い一日となりました。
多くの地域で日中、朝よりも気温が下がり、
午後3時の気温は
▽長野市で14.5度、
▽仙台市で15.4度など4日の同じ時間に比べて10度以上低くなり、
▽東京の都心でも18.4度と9.8度低くなりました。

もはや冬?北海道では初冠雪も

北海道では▽利尻山と▽旭岳、▽黒岳で初冠雪が相次ぎました。

札幌管区気象台によりますと、5日の北海道は10月下旬から11月上旬並みの寒気が上空に流れ込み、各地で気温が低くなりました。

利尻山

稚内地方気象台は、利尻島の利尻山で初冠雪を観測したと発表。利尻山の初冠雪は去年より2日早く、平年より2日遅いということです。

旭岳

標高2291メートル、大雪山系の最高峰、旭岳では、5日朝、ロープウエーの運営会社の社員が標高1600メートルの5合目付近で雪が降っているのを確認し、会社は「初雪」を観測したと発表しました。
毎年、独自に「初雪」を発表しているこの会社によりますと、去年より1日早く、例年よりは遅いということです。
5合目にあるロープウエー駅付近では5日昼前の時点で雪が積もっていて、訪れた観光客が今シーズン初めての雪景色を眺めたり、写真を撮ったりしていました。

茨城県から訪れた60代の女性は「紅葉を見にきたのですが、雪が降っていてびっくりしました。雪景色もとてもきれいで感動しました」と話していました。

黒岳

同じ大雪山系の黒岳でも5日朝5時ごろ、ロープウエーの運営会社の社員が5合目付近で雪が降っているのを確認し、会社は「初雪」を観測したと発表しました。

暖房器具の出番!故障の相談で最も多いのは…

次第に秋が深まり寒さを感じるようになるこの時期。
都内の家電量販店に開設された暖房器具のコーナーには暖房器具170点ほどがならび、客に使用事故を防ぐためのアドバイスなどもしています。
5日日中、気温が下がったこともあり、男女で売り場に訪れた客は「灯油ストーブを出そうかと話し合っていました」などと話していました。

都内ではこれから気温が低い日が続くと見込まれることもあり、店の担当者によりますと、今週末あたりから暖房器具を目当てにした客が増えるのではないかと見込んでいます。

この店では商品の販売だけでなく、火災などの事故を防止するため本格的に暖房器具を使うようになる前の今の時期に吸気口の掃除をすることや、昨シーズンの灯油は使わないことなどに注意を呼びかけています。
店長の奥真徳さんは「故障の相談で多いのが灯油が原因によるものです。異常な燃焼や機械の故障につながる可能性があるので、シーズンはじめに使う場合は昨年度から持ち越した灯油は使わないようお願いしています」と話しています。

暖房器具の事故に気をつけて!引火や火災の原因は?

製品評価技術基盤機構=NITEによりますと、ストーブやファンヒーターの事故は2021年度までの5年間に600件あり、毎年9月ごろから徐々に増えて、秋の終わりから冬にかけて多くなる傾向があります。

◎ほこり

▽吸気口などにほこりが積もった状態で器具を使うと、ほこりに火が燃え移ったり、空気の通り道をふさいで不完全燃焼を起こして炎が大きくなったりして、近くにあるものに引火する事故が報告されています。

◎燃料の劣化

▽また、灯油ストーブの場合は燃料にも注意が必要です。
燃料が劣化していると不完全燃焼が起きて発生したタールがストーブの芯に付着し、消火する際に正しい位置に下がらなくなるおそれがあるということです。
その結果、火を消したつもりでも完全には消えておらず、思わぬ火災が発生する可能性があるということです。
このため、前のシーズンで残った灯油は廃棄して、新しい燃料を使うことが必要だと指摘しています。

◎古い灯油の見分け方は?

▽古い灯油の見分け方については本来は無色透明なものが黄色っぽく変色していたり、鼻にツーンとくるような刺激臭がするため、よく観察すれば確認できるということです。
また、灯油は紫外線で劣化することが多いため防ぐためには白色のポリタンクではなく、赤色か青色のポリタンクで保管することで劣化を防ぐことができるということです。

◎プラグやコードは事前に点検!

▽電気を使った暖房器具についても事前の点検が大切です。
まずチェックしてほしいのはプラグやコードです。
変形やコードが傷ついていないか、目視でよく確認してほしいということです。
▽長年使用した電気毛布はヒーター線が片方に偏って重なってしまうことがあり、発熱したり発火したりする事故も報告されています。
見た目では分かりにくいので手でよく触って中のヒーター線が偏ってないか確認することが大切だということです。

製品安全広報課の山崎卓矢課長は「製品を長年使ったことによる経年劣化によって引き起こされる事故も報告されています。可燃物などが周囲になく喚起のよい場所で製品が正しく動作するかを使う前に確認して安全に使ってほしい」と話していました。

光熱費を抑えたうえでの寒さ対策は…

光熱費が高くなる中、東京 渋谷の雑貨専門店は電気などを使わずに暖をとれる衣料品や雑貨を集めたコーナーを拡充しています。

東京 渋谷にある雑貨専門店では、9月中旬からおよそ130種類の防寒グッズを集めた特設コーナーを設けていて、5日以降気温が下がると見込まれることから、急きょ、コーナーの品ぞろえを拡充することを決めました。
店によりますと、ことしは光熱費の高騰を背景に、電気やガスを使わずに暖をとれるグッズへの問い合わせが増えていて「節電」を前面に打ち出した商品をそろえているということです。
店頭には、暖かさを逃がさないモコモコの生地の毛布や、太ももまで覆うことができる長い靴下など、季節の変わり目に光熱費をかけずに臨機応変に暖をとれる商品が並べられています。
渋谷ロフトの渡邉和恵さんは「身につけるだけで暖かさを感じられるのでお好みのものを選んで暖かく過ごしてほしい」と話していました。

このほか都内の百貨店でも、薄手の衣料品を厚手のものに入れ替えたり、コートなどの品ぞろえを増やしたりするなど準備に追われているということです。

6日以降も気温上がらず…

6日も東日本や北日本を中心に気温が上がらず、
日中の最高気温は
▽札幌市で14度、
▽長野市で15度、
▽盛岡市で16度、
▽東京の都心で17度、
▽新潟市で19度、
▽静岡市で20度などと、
5日よりも低く11月中旬並みになるところも予想されています。

その後、7日も東日本の広い範囲で最高気温が20度に届かないなど肌寒い日が続きそうです。
4日まで気温の高い日が続いた中、7日にかけて気温の低い日が続く見込みで、一気に季節が進んだような天気となります。
体調の管理に注意するようにしてください。