安倍元首相の「国葬」終わる

安倍元総理大臣の「国葬」が27日行われ、葬儀委員長を務める岸田総理大臣や友人代表の菅前総理大臣が追悼の辞を述べたあと、参列者が献花しました。

ことし7月、奈良市で参議院選挙の応援演説中に銃撃されて亡くなった安倍元総理大臣の「国葬」は、27日午後2時すぎから、東京・千代田区の日本武道館で行われました。

「国葬」には、葬儀委員長を務める岸田総理大臣ら「三権の長」のほか、国会議員や都道府県知事、それに各界の代表や海外からの要人などが参列しました。

皇族方は、秋篠宮ご夫妻をはじめ、合わせて7人が参列されました。

「国葬」では、国歌の演奏や黙とうが行われたあと、安倍元総理大臣の生前の姿をまとめた映像が上映されました。

そして、代表者による追悼の辞で、岸田総理大臣は「日本と世界の行く末を示す羅針盤として、この先も10年、いや20年、力を尽くしてくれると確信していた。残念でならず、痛恨の極みだ。憲政史上最も長く政権にあったが、歴史はその長さよりも達成した事績によって記憶するだろう。あなたが敷いた土台の上に、持続的で、すべての人が輝く包摂的な日本を、地域を、世界をつくっていくことを誓う」と述べました。
第2次安倍政権で官房長官を務めた菅前総理大臣は、友人代表として「覚悟と決断の毎日が続く中にあっても、あなたは、常に笑顔を絶やさなかった。いつも、まわりの人たちに心を配り、優しさを降り注いだ。総理大臣官邸で共に過ごし、あらゆる苦楽を共にした7年8か月。私は本当に幸せだった。あなたはわが国・日本にとっての、真のリーダーだった」と述べました。

式壇には、安倍氏の遺影とともに、最高位の勲章である「大勲位菊花章頸飾」(きっかしょうけいしょく)などが掲げられ、天皇皇后両陛下と上皇ご夫妻のそれぞれの使いによる拝礼に続いて、参列者一人一人が献花を行いました。

戦後、総理大臣経験者の「国葬」が行われるのは、1967年の吉田茂氏以来55年ぶり2例目で、今回は世論の賛否が分かれる中での実施となりました。

このあと岸田総理大臣は、東京・港区の迎賓館で、安倍氏の妻の昭恵さんとともに「国葬」に参列した海外の要人の弔問を受けています。