オミクロン株対応ワクチン 国内で使用承認 来週にも接種へ

新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの国内での使用が12日、正式に認められました。2回目までを終えた12歳以上の人を対象に、来週にも高齢者や医療従事者などから接種が始まる見通しです。

オミクロン株対応の新型コロナウイルスのワクチンは、従来株に由来する成分とオミクロン株のひとつ、「BA.1」の2種類を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれるもので、現在、流行している「BA.5」に対しても、効果が見込まれています。

12日、厚生労働省の専門家による部会で、アメリカの製薬会社、ファイザー社とモデルナ社のワクチンを国内でも使用することが特例で認められました。

使用できるのはファイザー製が12歳以上、モデルナ製が18歳以上で、従来のワクチンで2回目までを終えた人への追加接種として使用されます。

厚生労働省は前回の接種から少なくとも5か月以上経過している12歳以上のすべての人を対象にする予定で、10月までに対象となる人はおよそ6850万人と想定しています。

接種は9月19日以降に高齢者や医療従事者などから開始され、厚生労働省は各自治体に対し接種の進捗状況を考慮しながら対象者を拡大していくよう求めています。

一方、12日の部会では前回の接種からの間隔を5か月から短縮すべきだとする意見が出され、厚生労働省が今後、検討していくことになりました。

オミクロン株対応ワクチンの効果

ファイザー社が示した臨床試験の結果によりますと、オミクロン株に対応したワクチンはこれまでのワクチンと比べ4回目では▽「BA.1」のウイルスの働きを抑える中和抗体の値が平均で1.56倍、上昇したということです。

モデルナ社の臨床試験では4回目の接種では▽「BA.1」に対する中和抗体の値が平均で1.75倍上昇したということです。

また臨床試験の結果から厚生労働省は安全性に重大な懸念は認められていないとしたほか、主な副反応は疲労や頭痛があげられるものの、軽度から中程度だったとしています。

今後のスケジュール

オミクロン株に対応するワクチンは、近く、厚生労働省が無料の公的接種に位置づけることを正式に決めた後、接種が始まる見通しです。

厚生労働省はおよそ3000万回分、都道府県に配送する計画で、具体的には9月19日の週に
▼ファイザーのワクチンおよそ1010万回分、
▼モデルナのワクチンおよそ100万回分、
26日の週も
▼ファイザーのワクチンおよそ1010万回分、
▼モデルナのワクチンおよそ100万回分、
来月3日の週に
▼ファイザーのワクチンおよそ780万回を配送します。

19日の週にはすべての自治体に配布するとしていて、厚生労働省は準備ができた自治体から順次、接種を始めるよう求めています。

接種ができるようになるのは最後に行ったワクチン接種から5か月以上となる見通しで、厚生労働省は、ことし10月までに対象となる人数をおよそ6850万人と想定しています。

まずは4回目の接種を行っていない60歳以上の高齢者、およそ1400万人や、18歳以上の基礎疾患のある人、そして医療従事者などから、9月半ば以降に受けられます.

それ以外の対象者およそ5350万人も順次、オミクロン株対応のワクチンに切り替えられ、10月半ばまでには、全員が新しいワクチンの接種ができるようになる見通しです。

また、4回目の接種を受けた人では最も早い人でことし5月に接種したおよそ1万人が、10月25日以降から5回目が打てるようになる見込みです。

国は10月末までには対象者全員分の新しいワクチンが輸入される見通しだとしています。