世界的ファッションデザイナー 森英恵さん死去 96歳

蝶をモチーフにしたデザインで知られる、日本を代表する世界的なファッションデザイナーの森英恵さんが今月11日、都内の自宅で亡くなりました。96歳でした。

森さんは1926年に島根県で生まれ、1951年に新宿にスタジオを設立してデザイナーとしての一歩を踏み出しました。

日本映画の衣装を数多く手がけ、1965年にニューヨークで初めて発表したコレクションが「東洋と西洋の出会い」と評判となり、国際的な名声を得ました。

その後、日本人として初めてパリの高級注文服の組合、オートクチュール組合の会員になるなど日本を代表するファッションデザイナーとして国際的に活躍しました。

またミラノ・スカラ座のオペラやパリ・オペラ座のバレエの舞台衣装も手がけました。
森さんは、日本的な色彩や伝統的なモチーフを取り入れた作品を海外に紹介してきたほか、蝶をあしらったデザインで知られ、日本の若い女性のファッションにも大きな影響を与えました。

1986年には女性として初めて経済同友会の会員になり、女性の社会進出の象徴として話題となりました。
また、1992年にバルセロナオリンピックの日本選手団の公式ユニフォームをデザインしたほか、1993年には、皇后、雅子さまのご成婚の際に「ローブ・デコルテ」のドレスのデザインを手がけました。

1996年に文化勲章を受章、1989年と2002年にはフランス政府からレジオン・ドヌール勲章を受けています。

森さんは、2004年のパリコレを最後に第一線から退き、その後は若手デザイナーの育成などに力を入れていました。

森さんの事務所によりますと、森さんは今月8日まで若手のデザイナーにアドバイスをするなど、仕事をこなしていたということですが、9日に体調を崩し、11日の早朝、自宅で亡くなったということです。