北陸で猛烈な雨 新潟と山形も災害の危険性 厳重な警戒を

前線や低気圧の影響で、北陸では断続的に猛烈な雨が降り、川の氾濫や土砂災害が相次いでいます。
雨が弱まっても、5日の朝にかけて再び強まるおそれもあり、状況が悪化する前に早めに避難してください。
4日の昼前にかけて大雨の特別警報が発表された新潟県や山形県でも災害の危険性が高い状態が続いていて、引き続き厳重な警戒が必要です。

気象庁によりますと、日本海から東日本にかけて低気圧をともなった前線がのびている影響で新潟県や山形県のほか北陸や近畿などで雨雲が発達しています。

午後10時半までの1時間には奈良市針で32.5ミリの激しい雨を観測したほか、新潟県村上市でも再び雨雲が発達して強い雨が降りました。
石川県と福井県では4日の明け方以降、発達した雨雲が次々とかかり続け、
1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が断続的に降り、各地で川の氾濫や土砂災害が相次ぎました。
午後10時半までの24時間に降った雨の量は、
石川県の
▽白山市河内で395ミリ、
▽小松市で249ミリ、
福井県の
▽大野市で211ミリと8月の平年1か月分を超える大雨となっています。
これまでに降った雨で石川県内では氾濫危険水位を超えている川があります。

山形県と新潟県、福島県、それに滋賀県では土砂災害の危険性が非常に高まり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。
一方、4日昼前にかけて大雨の特別警報が出されていた新潟県や山形県などでは記録的な大雨となり、山形県の最上川で氾濫が発生するなど各地で川の氾濫や土砂災害などによる被害が相次いでいます。

新潟県関川村の下関では午前2時すぎまでの1時間に149ミリの猛烈な雨が降ったほか、
4日朝にかけての24時間の雨量は、
▽新潟県関川村の下関で560ミリ、
▽新潟県村上市の高根で410ミリ、
▽福島県北塩原村の桧原で314.5ミリ、
▽山形県飯豊町の高峰で306.5ミリといずれも観測史上最も多く、8月の平年1か月分から2か月分に当たる雨量となっています。

北陸・新潟など再び雨強まるおそれ

今後の見通しです。

前線は次第に南下し、5日には日本の南へ達する見込みです。

ただ、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むうえ、上空には強い寒気が南下するため、東日本から西日本にかけて大気の状態が非常に不安定となる見込みです。

北陸や新潟県など東日本を中心に5日にかけて再び雨が強まるおそれがあり、局地的に雨雲が発達して非常に激しい雨が降るおそれがあります。

5日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽北陸で200ミリ、
▽東海と新潟で150ミリ、
▽近畿で120ミリ、
▽関東甲信で100ミリと予想されています。

すでに記録的な大雨となっているところで、さらに雨量が増えるおそれもあります。
気象庁は川の氾濫や土砂災害、低い土地の浸水に引き続き厳重に警戒するとともに落雷や竜巻などの突風、それに「ひょう」にも十分注意するよう呼びかけています。

周囲の状況を確認しづらい夜間に再び雨が強まるおそれがあり、状況が悪化する前に早めに避難するようにしてください。

また、記録的な大雨となった新潟県と山形県では、雨が弱まった地域でも災害の危険性が高い状態が続いているため、4日夜は少しでも安全な場所で過ごすようにしてください。