サル痘に天然痘ワクチン承認 治療薬や検査体制の整備進める

欧米を中心に感染が相次ぎ、日本でも海外に滞在歴がある2人の感染が確認されたサル痘について、厚生労働省は症状が似ている天然痘のワクチンに発症予防効果があるとして、サル痘に使用することを2日、正式に承認するとともに、引き続き治療薬や検査体制などの整備を進めています。

サル痘をめぐり日本国内では先月25日と28日に1人ずつ、いずれも海外に滞在歴のある合わせて2人の感染が確認されていて、厚生労働省は治療薬や検査体制などの整備を進めています。

このうち治療薬についてはサル痘と症状が似た天然痘の治療薬「テコビリマット」という飲み薬を研究目的として投与できる仕組みを作っています。

また、検査についてはすべての都道府県の地方衛生研究所で実施できる体制を整備し、自治体に対して感染が疑われる患者がいれば速やかに報告するよう求めています。

海外では、過去の流行で報告が無かった性的接触に伴うと考えられる特徴的な症状が指摘されていることを受けて、厚生労働省では届け出基準の見直しや検査のマニュアルの改訂について検討することにしています。

ワクチンについては、サル痘に対しておよそ85%の発症予防効果があるとされる天然痘のワクチンをサル痘に使用することを2日正式に承認し、今後の感染状況などを踏まえ、患者と接触するリスクが高い医療従事者や、検査の担当者、保健所職員のうち、希望者を対象に予防のために接種を行うか、検討することにしています。

厚生労働省によりますと、天然痘ワクチンは国内で十分な量を備蓄しているということです。