大相撲 新十両に金峰山 カザフスタン出身で初の関取

大相撲秋場所に向けた番付編成会議が開かれ、初土俵から5場所連続で勝ち越したカザフスタン出身の金峰山など2人が新たに十両に昇進することが決まりました。

日本相撲協会は9月の秋場所に向けた番付編成会議を開き、木瀬部屋の金峰山と春日野部屋で埼玉県入間市出身の菅野、改め栃武蔵の2人を新たに十両に昇進させることを決めました。

このうち金峰山はカザフスタン出身の25歳。

日本大学相撲部の出身で、おととしの全国学生選手権では個人戦でベスト4に入りました。

去年の九州場所で三段目100枚目格付け出しで初土俵を踏んで三段目優勝を果たし、ことしの春場所は幕下で全勝優勝しました。

その後も順調に番付を上げ、西の幕下筆頭で迎えた7月の名古屋場所は6勝1敗の好成績で初土俵から5場所連続の勝ち越しを決めていました。

金峰山はカザフスタン出身として初めての関取となります。

このほか、常盤山部屋の貴健斗が十両に復帰することになりました。

秋場所は9月11日に初日を迎えます。

金峰山「自分の相撲は突っ張り 頑張れるところまで頑張りたい」

金峰山はオンラインでの記者会見に臨み、初土俵から5場所での昇進について「うれしいですね。早く上がりたかったが、師匠からけがをしないようにと言われ体を大事にしてよかった」と話しました。

また、カザフスタン出身として初の関取となることについては「いろいろな国があるがカザフスタンから初めてということが大事だ」と話していました。

そして、初めて関取として臨む秋場所に向けて「自分の相撲は突っ張り。そういう相撲を取りたい。頑張れるところまで頑張りたい」と意気込みを語りました。

会見に同席した師匠で元幕内・肥後ノ海の木瀬親方は、自身のふるさと熊本県の山の名前がしこ名に入った弟子の新十両昇進について「自分もふるさとに恩返しできたような気持ちになった」と話しました。

そのうえで「突っ張りだけではなく四つ相撲もできるのでどういう力士になるのかイメージがわかないが、しこ、てっぽう、ぶつかり稽古をやって前に出る相撲で強くなってほしい」と期待していました。

栃武蔵「一日でも早く幕内へ」

栃武蔵は埼玉県入間市出身の23歳。

地元の相撲クラブで相撲を始め、和歌山の箕島高校から中央大学に進み、2年生で全国学生選手権で優勝し「学生横綱」に輝きました。

大学卒業後に春日野部屋に入門し、去年の春場所、三段目100枚目格付け出しで初土俵を踏みました。

持ち味の四つ相撲で順調に番付を上げ、西の幕下2枚目で迎えた今月の名古屋場所では5勝2敗の成績を残し、秋場所で十両に昇進することになりました。

栃武蔵はオンラインでの記者会見で臨み「うれしい気持ち。これからもっと稽古を頑張ってもっと強くなりたい」と率直な思いを語りました。

また、名古屋場所で新十両に昇進した同じ中央大学出身の豪ノ山など、同学年の力士の存在について「同級生がみんな上がってきているのでいちばん早く幕内に上がりたい」と話しました。

そのうえで「いい相撲をとると言われるような関取になりたい。一日でも早く幕内に上がれるように稽古して頑張りたい」と意気込みを話しました。

師匠の春日野親方によりますと、栃武蔵というしこ名は出身地にちなんで通っていた相撲クラブの監督と相談して決めたということです。

春日野親方は「この名前を大きくするのは本人の努力しだいだ。十両で形を作って実力をつけて上がっていってほしい」と期待を寄せていました。