フェンシング世界選手権 江村美咲が金 女子サーブル個人

フェンシングの世界選手権の女子サーブル個人で、江村美咲選手がこの種目で日本選手で初めて金メダルを獲得しました。

エジプトのカイロで行われているフェンシングの世界選手権は20日、女子サーブルと男子フルーレの個人戦などが行われました。

このうち女子サーブル個人では去年の東京オリンピック代表で世界ランキング3位の江村選手が5試合を勝ち上がり、決勝に進みました。

決勝では世界ランキング1位でアゼルバイジャンのアンナ・バシタ選手と対戦し15対10で破り、金メダルを獲得しました。

日本フェンシング協会によりますと、世界選手権のこの種目で日本選手がメダルを獲得するのは初めてです。

日本選手の金メダルは、2015年にロシアで行われた大会の男子フルーレ個人で太田雄貴さんが獲得して以来、2人目です。

江村「オリンピック金メダルに近づけた」

江村美咲選手は「世界選手権は2014年に初めて出場してから何度も決勝戦を眺めていたのでまさかそこに自分が立って優勝するときが来るなんて思いもしなかった。本当にうれしい」と心境を話しました。

今大会については「初戦からかなり緊張していたが、試合数を重ねるごとに身体も気持ちもほぐれ、後半は相手の特徴に合わせて冷静に戦術を作れたのが良かった。またひとつ夢もかなってオリンピック金メダルに近づけたと思う。これまでサポートしてくれたすべての方に感謝を伝えたい。これからもチャレンジャー精神で努力して、選手として、人として応援したいと思ってもらえるような自分でありたい」と話していました。

江村美咲選手とは

女子サーブルの江村美咲選手は大分県出身の23歳。

1メートル70センチで攻守ともにバランスのとれたフェンシングが持ち味です。

父親の宏二さんはソウルオリンピックに出場した元選手です。

10代のころから国際大会で実績を積むとともに全日本選手権ではこれまで2回優勝しています。

大学を卒業した去年からプロ選手として活動し、東京オリンピックの女子サーブル個人では3回戦まで進みました。

ことし5月にはワールドカップの個人戦でこの種目では日本選手で初めての優勝を果たし、国際大会でも銅メダルを獲得するなど世界ランキングを自己最高の3位に上げていました。