安倍元首相の葬儀営まれる 永田町に最後の別れ

演説中に銃で撃たれて亡くなった安倍元総理大臣の葬儀が12日午後、東京 港区の寺院で営まれました。葬儀のあと安倍氏のひつぎを乗せた車は総理大臣官邸など長年政治活動の舞台となった永田町を回り、岸田総理大臣をはじめ政府や与野党の幹部らが車列を見送りました。

<13:00>増上寺(東京 港区)葬儀営まれる

自民党の安倍元総理大臣は今月8日、奈良市で参議院選挙の応援演説をしていたさなかに銃で撃たれて亡くなり、12日午後1時から東京 港区の増上寺で葬儀が営まれました。

葬儀には岸田総理大臣や自民党の茂木幹事長ら政界関係者をはじめ、経済界や海外の要人らおよそ1000人が参列しました。

これに先立って増上寺には一般向けの献花台も設けられ、多くの人が列をつくり花をたむけて手を合わせる様子がみられました。
安倍氏のひつぎを乗せた車は自民党本部や総理大臣官邸、それに国会議事堂を回って長年政治活動の舞台となった永田町に別れを告げ、岸田総理大臣をはじめ政府や与野党の幹部らが手を合わせるなどして車列を見送りました。

また沿道には大勢の人が詰めかけ、車列に向かって頭を下げたり「ありがとう」などと声をかけたりする人もいました。

そして車列は品川区の斎場に向かい、だびに付されました。

政府は11日、安倍氏のこれまでの功績をたたえて最高位の勲章である「大勲位菊花章頸飾」を授与することを決めました。

また東京と地元の山口県では後日、お別れの会が開かれる予定です。

<14:30すぎ>増上寺 沿道に大勢の人

葬儀が営まれた増上寺の前の沿道には、安倍元総理大臣のひつぎを乗せた車を見送ろうと大勢の人が集まりました。

長いクラクションが鳴らされたあと午後2時半すぎに車列が出発すると沿道に詰めかけた人たちからは拍手が起こり、車列に向かって「安倍さん、ありがとう」と呼びかける声も聞かれました。

<15:00前>自民党本部 国会議員が最後の別れ告げる

自民党本部の前では茂木幹事長や高市政務調査会長、遠藤選挙対策委員長ら党幹部をはじめ党所属の国会議員が大勢集まり、安倍元総理大臣のひつぎを乗せた車の到着を待ちました。そして午後3時前に車列が党本部の前を通り過ぎると、車に向かって手を合わせながら深々と頭を下げ、最後の別れを告げていました。

周辺には一般の人たちも集まり「日本のためにありがとう」などと声をかけていました。

自民党本部 臨時献花台に大勢の人

自民党本部の駐車場に臨時に設けられている献花台には、12日も子どもからお年寄りまで大勢の人が、花をたむけに訪れています。

党本部の周辺の歩道は午後2時半ごろの段階でおよそ500メートルの列ができていて、警察官らが交通整理に当たっています。

<15:00すぎ>総理大臣官邸 岸田首相などが手を合わせ見送り

安倍元総理大臣のひつぎを乗せた車は総理大臣官邸の敷地のまわりを1周したあと午後3時すぎに敷地内に入りました。安倍氏は通算で歴代最長の8年8か月総理大臣を務め、この間、官邸で執務に当たりました。

官邸の玄関先には安倍氏と初当選同期の岸田総理大臣、自民党の安倍派に所属する松野官房長官や萩生田経済産業大臣、3人の官房副長官のほか大勢の職員が車を迎えました。

車は玄関先で短時間停車し、岸田総理大臣らは手を合わせて安倍氏を見送りました。

<15:00すぎ>国会 与野党の国会議員約100人が見送り

国会議事堂の正門前では細田衆議院議長と山東参議院議長のほか、公明党の山口代表や共産党の小池書記局長など与野党の国会議員およそ100人が集まり、安倍元総理大臣のひつぎを乗せた車の到着を待ちました。

午後3時すぎに車列が見えてくると並んでいた衛視が「敬礼」と声を上げ、議員らは深々と頭を下げたり手を合わせたりしていました。そして車列が見えなくなるまでその場で見送り、安倍氏との別れを惜しんでいました。

国会の周辺には一般の人たちも大勢集まり、涙ぐむ人の姿も見られました。

また立憲民主党の泉代表は党の執行役員会で「安倍元総理大臣の車が国会前を通る際に私も参列させていただいた。衝撃的な事件でこういったことはあってはならないと断固として非難するとともに、改めてお悔やみを申し上げる。日本の安心安全な社会を守り抜いていかなくてはいけないという決意だ」と述べました。

葬儀に約1000人が参列

自民党安倍派の関係者によりますと、葬儀には岸田総理大臣や森元総理大臣ら政界関係者をはじめ、経団連の十倉会長や台湾の頼清徳副総統らおよそ1000人が参列して焼香などを行い、このうちおよそ200人が会場内での告別式に出席したということです。

告別式では麻生副総裁が「安倍氏とは国益を考える絆で結び付いていた。国際社会での日本の存在を高めた戦後、最も優れた政治家だ。天国で父の晋太郎さんに胸を張って報告し祖父の岸総理とも政治談義をすることだろう。そのうち私もそちらに行くからまた楽しく話しましょう」と弔辞を述べました。

また喪主を務めた昭恵夫人は「まだ夢を見ているようです。主人のおかげでいろいろなことを経験でき感謝しています。政治家としてやり残したことはたくさんあったと思いますが、種をいっぱいまいているのでそれが芽吹くことでしょう」とあいさつしました。

会場内では安倍氏がピアノを弾き昭恵夫人が歌っている様子や、2人で卓球をしている様子、さらに2人の若い頃の写真などの映像が流れていたということです。