ゼレンスキー大統領 都内の大学でオンラインで講演

ウクライナのゼレンスキー大統領が4日、都内の大学でオンラインで講演し、学生たちに平和について伝えるとともに「皆さんは将来、ことばのコミュニケーションによる武器しか使わないよう、心から祈っている」と語りかけました。

ゼレンスキー大統領のオンライン講演が行われたのは、東京 文京区の東洋大学で、ロシアによる軍事侵攻後にウクライナの大学と学術交流の協定を結び、10人以上の留学生を受け入れていることなどから、実現したということです。

日本国内に向けた講演は、3月に行われた国会演説以降、初めてだということで、会場には学生や教職員、ウクライナからの留学生など350人余りが集まり、オンラインで全国14の大学にも配信されました。

講演でゼレンスキー大統領は、平和について語り「ミサイルや爆弾がない平和な空、破壊されていない家、亡くなっていない家族や周りの人たちというのは、実は大きな恵みで、われわれにとってそれは奇跡です。奇跡がまた現実になるよう、武器をとって戦っています。人間にとって普通の社会、普通の国、普通の平和、これがウクライナが守ろうとしているものです」と語りました。

質疑応答では、ウクライナからの留学生が、母国のために何ができるかと質問すると、ゼレンスキー大統領は「皆さんが日本で得る知識は、ウクライナの復興のために役に立つ。ウクライナに戻ったときに復興に参加してください」と答えていました。

また、日本の学生が、強さや今の思いを尋ねると「武器というのは戦闘のためだけではなく、いま私が行っている情報提供や世界のリーダー、国際社会に対する影響というのもひとつの武器になる。皆さんが将来、ことばのコミュニケーションによる武器しか使わないよう、心から祈っている」と語りかけていました。
4日の講演の録画は東洋大学のホームページで公開されています。