iPhone 日本の販売価格値上げ 世界的にみた割安感強まり背景か

アップルが、国内で販売するiPhoneなどの価格を値上げしました。
背景には、急速に進む円安によって世界的にみて日本での販売価格の割安感が強まっていたこともあるとみられています。

調査会社のMM総研は値上げ前の先月、日本やアメリカ、中国、タイなど34の国と地域を対象にアップルのオンラインストアで売られているiPhoneなどの販売価格を調べ、先月1日時点の為替レートをもとに円に換算して比較しました。

すると、iPhone13の最も安いタイプでは国内での価格が9万8800円と34の国と地域の中で最も安く、日本以外の平均価格の12万6433円と比べると2万7000円余り安い状況でした。
アップルが本社をおくアメリカでの価格は、11万6477円でした。
MM総研の横田英明研究部長は「日本のiPhoneは世界的にみても安めの価格設定だったが、急速に進む円安によって割安感に拍車がかかっていた。日本で割安なiPhoneを購入し価格が高い海外で転売するケースもあり、アップル側はこれに対応する必要もあったのではないか」と指摘しています。

そのうえで、横田部長は国内での影響について「値上げで『高い』という印象を持つ利用者が増えると思われる。日本はiPhoneのシェアが高い国だがアンドロイドの利用や中古端末の取り扱いが増えていく可能性もある」と話しています。

中古スマホのオンライン販売が急増

中古スマートフォンのオンライン販売を行っている業者によりますと、iPhoneの値上げが明らかになった今月1日、サイトでの売り上げは前の週の一日の平均と比べて4倍近くに急増しました。

2万円から3万円で販売されている「iPhone8」がよく売れているということです。

販売サイト「にこスマ」の井上大輔社長は「最新機種の値上げをきっかけに今後、中古品の相場が上がると考えた利用者が今のうちに買っておこうと考えて買い求めたのではないか」と話していました。