アーティスティックスイミング乾が金 日本勢初 世界選手権ソロ

水泳の世界選手権のアーティスティックスイミング、ソロのテクニカルルーティンで、日本の乾友紀子選手が、世界選手権のソロで日本勢として初となる金メダルを獲得しました。

ハンガリーで行われている水泳の世界選手権のアーティスティックスイミング、ソロのテクニカルルーティンで予選をトップで通過した乾選手は18日、決勝の演技に臨みました。

強豪のロシア勢が出場していない中、前回大会のこの種目で銅メダルを獲得した乾選手は正確な足技など安定感のある演技で予選より得点を伸ばし、92.8662をマークして世界選手権のソロでは日本勢として初となる金メダルを獲得しました。

2位はウクライナの選手で91.9555、3位はギリシャの選手で89.5110でした。

乾選手は「この演技をするのは最後だと思ったので、思い残すことのないようにやった。思ったより点数が上がったのでよかった。やりきったという感じだ」と話していました。

このほかアーティスティックスイミングでは、フリーコンビネーション予選で日本が2位。

混合デュエットのテクニカルルーティンの予選で佐藤友花選手と佐藤陽太郎選手のきょうだいのペアが2位となり、それぞれ決勝に進みました。

31歳の乾 東京五輪後はソロに専念

オリンピックに3大会連続出場を果たすなど、日本のエースとして活躍してきた乾友紀子選手が、世界選手権のソロで日本勢初の金メダルを手にしました。

31歳の乾選手は東京オリンピックのあと「デュエットに関してはやりきったという気持ちはあるが、ソロはもっと追求したい、もっと上を目指したい」としてオリンピック種目ではないソロに専念することを決めました。

長年、乾選手を指導してきた井村雅代コーチも「彼女にとってやり残しがないような試合をさせてあげたい」と話し乾選手の思いに応えて二人三脚で世界の頂点を目指してきました。

大会前には厳しい練習メニューで知られる井村コーチのマンツーマンでの指導に「すごく肉体的にも精神的にもつらいと思うことはある」としながらも「それはそれで、今までとは違った競技生活を送れているのでそこは楽しいなと思う」と前向きに話していた乾選手。

ソロに専念して挑んだ最初の国際大会で日本勢初という快挙を成し遂げました。

乾「金メダルは特別な思い」

乾友紀子選手は、表彰式のあと「金メダルの重みをずっと感じてきてやっと首にかけることができて特別な思いだ。2001年に福岡で行われた世界選手権で日本がデュエットで獲得した金メダルを見ていつか私も金メダルが欲しいと夢をもらった。こうして取ることができてうれしいし、この金メダルで喜んでくれる人がいるのでそれもうれしい」と喜びを語りました。

そして、これまで指導を受けてきた恩師の井村雅代コーチへの思いについて「つきっきりで練習を見てもらい私のためにすべてをかけて教えてくれていたので、この金メダルが恩返しになったと思う」と笑顔で話しました。