体育大会で熱中症か 30人搬送 1人重症 大阪の中高一貫校

2日午後、大阪 中央区にある中高一貫校で、体育大会中に複数の生徒が熱中症になったと通報があり、生徒など30人が病院に搬送されました。このうち1人は重症だということです。

2日午後3時すぎ、大阪 中央区玉造にある中高一貫校「大阪女学院」で、教員から「複数の生徒が体育大会中に熱中症になった」と通報がありました。

消防などによりますと、これまでに生徒29人と保護者1人の合わせて30人が病院に搬送されたということです。

このうち、1人の生徒が重症、25人が中等症、4人が軽症だということです。

学校 “マスク外し声出さず”の応援合戦後 生徒が体調不良訴え

大阪女学院によりますと、中学と高校の合同体育大会で、学年などに分かれて行われる応援合戦を終えたあとに、生徒たちが体調不良を訴えたということです。

体育大会には1300人余りが参加し、応援合戦はマスクを外して声を出さずに行っていたということです。

2日の大阪市は、日中の最高気温が29.2度を観測していました。

搬送された生徒の母親「最初は体が動かせないような状態」

高校3年生の娘が救急車で病院に搬送された母親は「応援合戦の最中に多くの生徒が体調不良を訴えたと聞いています。娘に会ったが、最初は体が動かせないような状態だったが、いまは少し快方に向かっています」と話していました。

学校が会見「治療中の生徒の早い回復を祈っています」

大阪女学院は2日夜、会見を開きました。

この中で丹羽朗校長は「誠に申し訳ございません。治療中の生徒の早い回復を祈っています」と述べました。

会見によりますと、体育大会は午前8時半から始まり、午後の応援合戦の前後に体調不良を訴える生徒が出始めたということです。

生徒たちには水分や塩分を補給することに加えて、競技中はマスクを外すことを促していたということです。

この時期 汗がうまくかけず 熱中症のリスク高く

専門家などによりますと、この時期は、体がまだ暑さになれておらず、熱が逃げにくく、汗がうまくかけずに熱中症になるリスクが高くなりやすいということです。

そのため、運動する際は積極的な水分や塩分の補給をするとともに、温度だけでなく湿度なども加味した「暑さ指数」を参考に、積極的に休憩を取り入れるなどして、熱中症予防に努めて欲しいとしています。

また、体が暑さに慣れる「暑熱順化」には2週間ほどかかるということで、気温が高くなりはじめ、やや暑いなと感じるくらいの日に、外で30分ほど散歩をしたり、家でも週に2回程度はしっかりとお湯につかって入浴するなど、少しずつ汗をかいておくことも重要だということです。