純木造で“最も高い”44mの高層ビル完成 CO2削減期待 横浜

木造としては国内で最も高いとされる、高さ40メートル余りのビルが横浜市内に完成しました。木造の高層ビルは、建築に伴って排出される二酸化炭素の削減につながる効果が期待されています。

横浜市中区に完成したのは、11階建て、高さ44メートルのビルです。

柱や、はりなどの主な構造物は木材だけで作られていて、建築を手がけた大手ゼネコン大林組によりますと、現在の国の耐震基準のもとで主な構造物が木材だけの「純木造」のビルとしては最も高いということです。
柱とはりは、それぞれ3枚の板を重ね合わせることで強度を高めたほか、雨による膨張を防ぐため、特殊な防水加工をすることで震度7でも建物は損傷しないと説明しています。

木造のビルは、建築に使うコンクリートや鉄が大幅に減るため、二酸化炭素の削減につながる効果も期待されていて、会社の試算では同じようなビルを鉄筋コンクリートで作る場合と比べ、二酸化炭素の排出量を4分の1程度に削減できたということです。
脱炭素への取り組みが求められる中、耐震性や耐火性などを高める技術が向上したことなどを背景に、東京 銀座では木材と鉄骨と組み合わせた12階建てのビルが建てられるなど、各地で木造ビルの建築計画が相次いでいます。

大林組の山崎慎二部長は「脱炭素に注目が集まっているので、将来的には木造のマンションやホテルの建設も目指していきたい」と話していました。