東京電力 電気料金値上げ 公聴会で反対意見相次ぐ

東京電力が国に申請している電気料金の値上げについて、利用者などの意見を聞く公聴会が都内で開かれ、参加者から「消費者や企業への影響が大きすぎる」などと反対する意見が相次ぎました。

家庭向けで契約者が多い「規制料金」をめぐって、東京電力は、ことし1月に平均で29.3%の値上げを国に申請しましたが、エネルギー価格の下落などを踏まえて、燃料費の算定を見直すよう経済産業省が指示し、先月、値上げ幅を17.6%に圧縮しました。

これについて、利用者などから意見を聞く公聴会が開かれ、東京電力エナジーパートナーの長崎桃子社長は「資源価格の高騰を背景とした事業環境の中で財務体質が悪化し、経営努力だけでは克服が困難で値上げの申請を行った。ただ、申請後に燃料価格は低下傾向にあり、申請内容の再算定を行った」と述べ、値上げに理解を求めました。

公聴会では、オンラインも含めて7人が意見を述べ、「厳しい外部環境は理解できるが、消費者や企業への影響が大きすぎる」とか、「燃料価格は下降局面に入っているのではないか。燃料価格の高騰や円安が今後も続くのか根拠を示してほしい」など、値上げに反対する意見や慎重な対応を求める指摘が相次ぎました。

経済産業省の委員会では、現在、東京電力を含む電力大手7社が申請した値上げについて審査を行っていて、今後、経済産業大臣が消費者庁とも協議し、値上げを認可するかどうか判断することにしています。

東京電力エナジーパートナー社長 “疑問点を解消し説明したい”

公聴会のあと、東京電力エナジーパートナーの長崎桃子社長は、記者団に対し「参加者の方々の意見を直接聞く機会を得たが、改めて電気が国民の皆様の暮らしやビジネスの基盤になっていることを痛感した」と述べました。

そのうえで「認可のタイミングがずれた場合は経営への影響はあるが、われわれとしては専門会合での議論で皆様の疑問点がしっかり解消するよう説明していきたい」と述べて、値上げへの理解が得られるよう努めていく考えを示しました。