アメリカ・テキサス州にあるNASAの「ジョンソン宇宙センター」で11日、公開された実験施設には建築用の3Dプリンターでつくられた建物があり、広さはおよそ160平方メートルあります。
中には個室の寝室が4部屋あるほか、共同で使うシャワーやリビングルーム、さらには実験室も備えられていて、野菜を栽培する装置もあります。
建物の外には火星の環境に似せて赤い砂を敷き詰めた広さ110平方メートルほどの空間が用意されていて、火星で長い距離を歩くシミュレーションなどさまざまな実験を行えるようになっています。
NASAではことし6月から、ボランティアの参加者4人が、およそ1年間、この施設の中で生活する実験を行う計画で、健康状態などを調べ、将来の火星での有人探査に生かす予定です。
NASAの担当者は「地球から離れた場所で、限られた物資で行われるミッションが健康状態や活動の内容にどのような影響を与えるかを理解する必要がある」と話していました。
NASAは、日本も参加する国際プロジェクト「アルテミス計画」で2025年を目標に人類を再び月面上に送り込む計画を進めていて、さらにその先には人類初となる火星への有人着陸も見据えています。
NASA 火星に似せた環境で人が1年間生活する実験施設を公開
将来、火星に宇宙飛行士が滞在して有人探査を行うことを想定して、NASA=アメリカ航空宇宙局は火星に似せた環境の中で人が1年間、生活する実験を行う施設を公開しました。