「東京大空襲・戦災資料センター」が開いた催しにはおよそ100人が参加し、小学6年生のときに現在の江東区で東京大空襲を経験した廣山敦さんが、幼いきょうだいを連れて避難した体験を語りました。
廣山さんは両親より先に避難したということで「火が広がり数々の遺体を目にするうちに、父と母も亡くなってしまったと思いました。翌朝、再会できたときは背中に抱きついて大声で泣きました」などと語りました。
そして「日本では78年間、平和が続いていますが、最近の情勢にはぞっとする思いです。戦争ではなく話し合いや外交によって解決してほしい」と訴えました。
話を聞いた20代の男性は「東京大空襲は歴史としては学んできましたが、体験した方の話を聞いて違った角度で知ることができました」と話していました。
東京大空襲・戦災資料センターの吉田裕館長は「自分で経験していなくても体験者の語りから想像し学べることはあるはずで、語り継ぐ機会は今後も必要だ」と話していました。
東京大空襲 78年を前に体験を語り継ぐ催し
およそ10万人が犠牲となった東京大空襲から今月10日で78年となるのを前に、空襲を体験した人の話を聞いて語り継ぐ催しが開かれました。
太平洋戦争末期の昭和20年3月10日未明、アメリカのB29爆撃機による空襲で、東京は下町を中心に壊滅的な被害を受け、およそ10万人が犠牲となりました。