途上国の新生児 死亡防ぐワクチン履歴把握 世界初のシステム
アフリカなどの途上国では十分な医療を受けられずに、多くの新生児が亡くなっています。課題となるワクチン接種を円滑に進めようと、NECと長崎大学が生体認証を活用した世界初の管理システムを開発し、年内を目標に本格的な導入を目指すことになりました。
ユニセフの報告では、生後28日以内に死亡した新生児は、2020年には途上国を中心に、世界で240万人に上り、その多くはワクチン接種など十分な医療や保健サービスによって防ぐことができるとしています。
NECと長崎大学が、ケニアの研究機関と共同で新たに開発したシステムは、出生日に新生児の指紋を登録して、ワクチン接種の履歴などを管理するシステムで、指紋がまだ整っていない新生児の指紋認証を母親の声の認証で補うのが特徴です。
アフリカのケニアで去年秋から実証実験を続け、実用化のめどがたったことから、年内を目標に本格的な導入を目指すことになりました。
技術的に難しい新生児の指紋認証を活用したシステムの実用化は、世界初となります。
このシステムによって、医療従事者が記録を簡単に把握できるようになり、ワクチン接種の働きかけがしやすくなるということです。
NECと長崎大学は、ケニア国内での本格的な導入を進めたあとは、ほかの国への展開も検討することにしています。