男性は6年前まで宮崎大学の農学部に留学していて、面接には、当時指導教官だった松尾光弘講師が同席しました。
男性はおととし、タリバンが実権を握ったあと、給料が支払われなくなって仕事を失い、命の危険も感じるようになったということで、わらにもすがる思いで松尾さんに「助けてほしい」とメッセージを送りました。
宮崎大学では、アフガニスタンからの元留学生7人とその家族を受け入れ、研究員の職や家族と暮らせる住まいを用意するなど支援しています。
ただ、月20万円の給料など必要な費用は大学の基金や担当教官の研究費などでまかなっていて、研究員のポストを用意できるのも1年が限界だということです。
新たな就職先が見つからなければビザが延長できず、日本に居続けられないおそれもありましたが、就職が決まり、男性は家族と一緒に日本で暮らし続けられるめどが立ちました。
男性は「母国では自由も権利もなく、希望を失ってしまいました。日本に残って働けるのがうれしい。サポートしてくれた大学と受け入れてくれる会社に感謝しています」と話していました。
アフガニスタンから避難の元留学生 家族と日本で生活へ 宮崎
おととしアフガニスタンでイスラム主義勢力 タリバンが政権を掌握して以降、日本各地の大学が、避難してきた元留学生を受け入れています。
宮崎大学では、このうち1人が県内の農場への就職が決まり、家族と一緒に日本で暮らし続けられるめどが立ちました。
就職が決まったのは、おととしまでアフガニスタンで国立大学の講師を務め、去年5月に妻子とともに宮崎県に避難してきた、30代の男性です。
男性は今月2日、都城市の農業法人を訪れて最終面接に臨み、植物の栽培や農薬についての専門知識が期待され、ことし4月から農場長として働くことになりました。
採用を決めた農業法人「アグリモチナガ」の片山翔支配人は「ことしから参入する小麦の栽培を軌道に乗せるため、熱意と専門知識を持った人材を探していました。住居やことばについてもサポートしたい」と話していました。
宮崎大学が受け入れている7人の元留学生のうち、就職が決まったのは男性が初めてで、松尾講師は「ほかの6人についても数社から声がかかっているので、就職先が決まることに期待したい」と話していました。
アフガニスタンからの元留学生 国内各地の大学に
NHKが取材したところ、アフガニスタンからの元留学生は、広島大学や九州大学、それに東京外国語大学や島根大学でも受け入れていて、宮崎大学と合わせると、その数は合わせて33人に上ります。
宮崎大学は、現地でニーズの高い農業についての教育が充実していることから、アフガニスタンからの留学生が多く、現在、避難してきた元留学生7人とその家族、合わせて35人を受け入れていて、これらの大学の中でも多いほうだということです。
また、元留学生は、自分たちが外国との関わりを理由にタリバンの標的になるおそれがあると考えているということで、そうした人たちがかつての恩師などに助けを求めたことで、各地の大学で受け入れの動きが広がりました。
ただ、日本の難民認定の基準が欧米に比べて厳格だとも指摘される中、各地の大学や研究者が「手弁当」で支えているのが実態で、資金に限りがある中、受け入れた人たちを長期的にどう支えていくのかが課題となっています。
宮崎大学の松尾講師は「特に日本語教育のサポートが必要です。より多くの人にアフガニスタンの現状を知ってもらい、支援のあり方を考えてほしい」と話しています。
宮崎大学は、現地でニーズの高い農業についての教育が充実していることから、アフガニスタンからの留学生が多く、現在、避難してきた元留学生7人とその家族、合わせて35人を受け入れていて、これらの大学の中でも多いほうだということです。
また、元留学生は、自分たちが外国との関わりを理由にタリバンの標的になるおそれがあると考えているということで、そうした人たちがかつての恩師などに助けを求めたことで、各地の大学で受け入れの動きが広がりました。
ただ、日本の難民認定の基準が欧米に比べて厳格だとも指摘される中、各地の大学や研究者が「手弁当」で支えているのが実態で、資金に限りがある中、受け入れた人たちを長期的にどう支えていくのかが課題となっています。
宮崎大学の松尾講師は「特に日本語教育のサポートが必要です。より多くの人にアフガニスタンの現状を知ってもらい、支援のあり方を考えてほしい」と話しています。