中東パレスチナ ガザ地区の教員 広島で平和教育を視察

長年イスラエルと対立し、紛争が絶えない中東パレスチナのガザ地区の教員たちが、被爆地 広島での平和教育について学ぼうと、18日に広島市内の小学校を訪れました。

広島市西区の天満小学校を訪れたのは、パレスチナのガザ地区の小学校などの教員7人です。

ガザ地区ではイスラエルによる経済封鎖が続き、地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの軍事衝突で多くの民間人が犠牲となっていて、一行は日本の平和教育を学ぶため、外務省の招待で日本を訪れています。

小学校では5年生のクラスで、先生が紹介した被爆者の体験談について、児童が意見を発表し合う平和授業の様子を視察しました。

この中では、家族写真を撮った直後に原爆が投下され家族を失った女性が、その後の人生で家族写真を避けてきた体験が紹介され、一行は児童たちが戦争の悲惨さや平和の尊さへ理解を深めていく様子を、熱心にメモをとるなどして聞いていました。

このあと一行は、ガザ地区ではイスラエルによる攻撃で学校が破壊されたり、子どもが犠牲になったりする中でも授業を続けていることなどを紹介していました。

児童の1人は「ガザの子どもたちは、とても悲しいことがあっても一生懸命頑張っているんだと思いました。しっかり勉強したいと思います」と話していました。
ガザ地区の小学校の教員のオラー・アルエイラさんは「シンフォニーを奏でるように授業を進めているのが印象的でした。ガザ地区に戻ったら、子どもたちが平和についてどのように感じているのか聞いてみたいと思います」と話していました。