岸田総理大臣が今月8日から、中国本土からの入国者を対象に水際措置をさらに強化する方針を示したことについて、中国外務省の毛寧報道官は4日の記者会見で「各国の感染対策は科学的かつ適度であるべきだ。政治化したり、差別的なやり方をしたりすべきではなく、正常な人的往来や交流と協力に影響を及ぼすこともすべきでない」と述べました。
毛報道官は3日の会見でも、各国が中国本土からの入国者を対象に水際措置を強化していることについて「政治的な目的を達成するために感染対策をもてあそぶたくらみに対し、われわれは断固として反対を表明する」と反発し、過度な水際措置をとった場合には対抗措置をとる考えを示していました。
政府 中国本土からの入国者の水際措置 8日からさらに強化へ
中国の新型コロナの感染状況などを踏まえ、政府は現在行っている臨時的な水際措置を今月8日からさらに強化することになりました。
政府は、中国での新型コロナの感染拡大を受けて、先月30日から中国本土からの入国者を対象に抗原検査キットによる簡易的な検査などを実施し、陽性となった人を待機施設で隔離するなど臨時の水際措置を行っています。
これについて政府は、年末年始の中国の感染状況や各国の対応を踏まえ、今月8日から水際措置をさらに強化することになりました。
具体的には中国本土からの入国者について、精度が高い「抗原定量検査」やPCR検査に切り替えるとともに、直行便での入国者に対し、出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明を求めるとしています。
また、中国本土からの国際線を▽成田空港▽羽田空港▽関西空港▽中部空港の4つに限定し、増便を行わないよう航空会社に要請する措置を継続します。
一方、香港・マカオからの国際線については、中国本土に7日以内の渡航歴がある人がいないことが確認できれば▽新千歳空港▽福岡空港▽那覇空港への到着を認めていましたが、検疫体制などが整っていれば、ほかの地方空港への到着も認めるとしています。