名門「ウクライナ国立バレエ」トップに寺田宜弘さん 日本人初

ウクライナのバレエの名門、「ウクライナ国立バレエ」のトップに現地で指導者として活動する寺田宜弘さんが、日本人として初めて就任し、ロシアによる軍事侵攻が続く中、ウクライナの芸術を守っていきたいと抱負を語りました。

寺田宜弘さん(46)は京都市出身で、1987年にウクライナの首都キーウにバレエ留学し、ダンサーとして活躍したあと、去年からは「ウクライナ国立バレエ」の前の「キエフ・バレエ」で副芸術監督として活動していました。

ロシアによる軍事侵攻後は、国外に逃れたダンサーらの受け入れ先を探すなどの支援を続け、今月6日に「ウクライナ国立バレエ」の芸術監督に就任しました。「ウクライナ国立バレエ」は、旧ソビエトの3大バレエ団に名を連ねる名門で、トップに日本人が就任するのは初めてです。

寺田さんはNHKの取材に「ウクライナの芸術を守り、文化と歴史を残しながら新しい時代を作っていくというのが私の役目です」と抱負を述べました。

「ウクライナ国立バレエ」は今月17日から来日し、全国各地で公演をする予定で、11日には首都キーウにある国立歌劇場で日本でも上演する「ドン・キホーテ」が披露されました。

観客の女性は「いつも楽しみに来ていて、大好きな演目です。彼らが日本で公演できることに感謝しています」と話していました。

寺田さんは「サイレンが鳴っても、停電になっても私たちはリハーサルを続けてきました。すばらしい公演にしますので待っていて下さい」と話していました。