新型コロナウイルスとインフルエンザの感染を同時に検査できる検査キットは、現在、10社の12製品が厚生労働省に製造や販売を承認されています。
このうち一般への販売が認められたのは、鼻の穴の内部の鼻くうから検体を採取することができるなどの条件を満たした、4社の5製品となります。
この4社のうち1社は一般への販売を行うとしたうえで、販売開始ができる時期や価格などは感染状況を考慮して検討するとしています。
残りの3社は、医療機関へ供給する在庫を確保するため、現時点では一般への販売は難しいとしています。
同時検査キットについて、厚生労働省は医療機関向けには各メーカーで3900万回分の在庫が確保されているとしていますが、一般向けについては当面は供給が少なくなる見通しを示しています。
新型コロナとインフルの同時検査キット 一般販売解禁へ 厚労省
新型コロナウイルスとインフルエンザの感染の有無を同時に調べることができる抗原検査キットについて、厚生労働省は28日、専門家による部会を開き、薬局やインターネットでの一般向けの販売を解禁することを決めました。
新型コロナウイルスとインフエンザの感染の有無を同時に検査できる抗原検査キットは、医療機関でしか使用が認められていませんでしたが、同時流行が懸念される中で医療機関のひっ迫を防ぐため、自宅で検査できる体制を整備すべきだという意見があがっていました。
28日開かれた厚生労働省の専門家による部会では、一般向けの販売解禁について審議され、専門家からは、「セルフチェックという意味では有効だ」とか、「正しい検体採取の方法や陽性だった場合の対応について周知が必要だ」といった意見が出されました。
これを踏まえ、厚生労働省は、医療機関への供給を最優先にすることを前提に、薬局やインターネットでの販売を解禁することを決めました。
抗原検査はPCR検査と比べて精度が低く、ウイルス量が少ない場合は感染していても陰性と判定される「偽陰性」のリスクもあるため、厚生労働省は今後、製造メーカーや販売業者、それに購入した人に向けたガイドラインを通知することにしています。
検査キット 供給の見通しは
東邦大 舘田教授「意義大きい 注意は陽性タイミング異なること」
新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は、新型コロナとインフルエンザの同時検査キットについて「コロナの感染者や発熱患者の数が爆発的に増加すれば、発熱外来の現場がひっ迫する状況が起きてしまう。同時検査キットでコロナなのかインフルエンザなのか分かれば、重症化リスクが低い人はオンライン診療などで薬の処方を受けて自宅療養してもらい、外来でも重症化リスクの高い人たちを優先できるようになるので、意義は大きい」と話しています。
一方で、舘田教授は「注意すべきはコロナとインフルエンザで陽性になるタイミングが少し異なることだ。抗原検査では陰性だった場合でも、100%感染を否定できるものではないと理解する必要がある。陰性でも翌日にもう1回検査したり、調子が悪いときは外に出ずに感染を広げないような注意も必要になる」と指摘しました。
一方で、舘田教授は「注意すべきはコロナとインフルエンザで陽性になるタイミングが少し異なることだ。抗原検査では陰性だった場合でも、100%感染を否定できるものではないと理解する必要がある。陰性でも翌日にもう1回検査したり、調子が悪いときは外に出ずに感染を広げないような注意も必要になる」と指摘しました。