毎月3日から7日は「さかなの日」 販売強化の動きも 水産庁

水産物の消費の拡大につなげようと、水産庁は毎月3日から7日までの5日間を新たに「さかなの日」に定めました。企業の間では魚を使った商品の販売を強化する動きも始まっています。

「さかなの日」は、国産の水産物のおいしさを伝える取り組みなどを通じて消費の拡大を促そうと水産庁が毎月3日から7日までの5日間を新たに定め、今月から始まります。

さかなの日の取り組みには600余りの企業や団体が賛同を表明し、このうちコンビニ大手のファミリーマートは魚を使ったプライベートブランド商品の販売を強化しています。

レンジで温めて食べる焼き魚や煮魚など取り扱う商品を今月下旬から増やすことにしていて、すでに店頭では「さかなの日」を紹介する表示も始めました。

デリカ食品部の石井洋さんは「魚の調理は手間がかかる印象があるので、そうした点を改善すればさらに販売拡大の伸びしろがある」と話していました。

また、大手食品メーカーのキッコーマンは魚料理をメインにした飲食店事業を今月から東京都内で始めました。

自社開発のソースを添えた焼き魚などの料理6品を提供し、取り扱う魚は海洋保護に関わる国際的な団体が選定したものとなっています。

茂木潤一事業開発部長は「魚を食べることが健康にも環境にもよいと知られるようになれば、消費の拡大につなげられると思う」と話していました。

水産物の消費量 この20年で40%以上減少

日本人の魚など水産物の消費量は、年々減少する傾向が続いています。

農林水産省によりますと、日本人が1年間に消費する魚介類の量は平成13年度の時点で1人当たり40.2キログラムでした。

この年をピークにその後、減少傾向が続き、令和2年度には23.4キログラムに落ち込み、この20年で40%以上減少しました。

農林水産省が2019年度に行った消費者に対する意識調査では、魚などの水産物をあまり買わない理由について「肉類を家族が求めるから」「魚介類は価格が高いから」「調理が面倒だから」といった回答が多く、消費者の間で食の志向への変化が起きていることが大きな背景の一つにあると見られています。

一方、水産庁は国内の水産業を守り将来にわたって持続的に水産物を食べることができる社会を目指し、資源の量を適切に管理しながら環境にも配慮した方法で漁獲や生産が行われている水産物を食べることを推奨しています。