この中で、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員は、「核兵器の廃絶に向かうための行動計画が、実現への意思がこもった宣言とともに採択されたのは大きな成功で、新しい時代を感じさせる会議となった」と評価しました。
一方で、「日本がオブザーバーとしても参加しなかったことで、広島や長崎から核の被害などを伝えることが削られてしまったかもしれない」と述べ、国際社会に訴える機会を逃したと指摘しました。
核兵器禁止条約の締約国会議 NGO総括「新しい時代感じさせた」
「核なき世界」の実現を目指す「ウィーン宣言」などを採択して閉幕した、核兵器禁止条約の初めての締約国会議について、現地で活動した日本のNGOは「具体的な行動計画とともに宣言が採択され、新しい時代を感じさせる会議となった」と総括しました。
オーストリアの首都ウィーンで開かれた核兵器禁止条約の締約国会議は、「核なき世界」の実現を国際社会に呼びかける「ウィーン宣言」と、核廃絶に向けた具体的な取り組みをまとめた「ウィーン行動計画」を採択して閉幕しました。
現地で活動を行った日本のNGOは24日夜、会議を総括するオンラインのイベントを開きました。
また、各国の代表に被爆者の声を伝えるなどの活動を行った広島出身の大学生、高橋悠太さんは、「市民社会からの提言に多くの国々が真剣に向き合い、文書に盛り込む動きが印象的だった。一方で、今回参加しなかった日本政府には被爆国としての存在意義を問いかけていきたい」と話していました。