総務省の有識者会議は21日、被害想定の報告書をまとめました。
それによりますと、太陽フレアによって地球上の磁気が乱れることで、最悪、携帯電話やテレビなどの放送が2週間、断続的に利用できなくなったり視聴できなくなったりするおそれがあるということです。
また、GPS衛星の精度に誤差が生じ、カーナビゲーションシステムが正常に機能しなくなるおそれも指摘しています。
さらに対策を講じていない電力設備では誤作動が起き、広域停電が発生するおそれもあるとしています。
このため報告書では、社会的にどのような影響があるか知らせる予報や警報を導入することや、通信などの分野では影響を受けやすい周波数を避け、有線通信などの代替手段を確保することなどを提言しています。
太陽フレア被害想定 携帯電話・TVが断続的に利用不可も
総務省は「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の爆発現象が活発になった場合、最悪、携帯電話が2週間にわたって断続的に利用できなくなるなど被害想定の報告書をまとめました。
太陽は活動の周期があり、3年後の2025年ごろに活発になり、「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の巨大な爆発現象が増えると見込まれています。
太陽フレアの影響を調べているNICT=情報通信研究機構の石井守センター長は「産業界にはこのようなシナリオがあることを理解してもらい、少しずつインフラを整備していってほしい」と話しています。