「勤務場所は自宅」「飛行機で出社OK」NTTが来月から新ルール

従業員の働き方を原則、テレワークにする方針を打ち出していたNTTは、来月から制度を見直し、勤務場所は自宅を基本とし、出社する場合は「出張扱い」にするという新たなルールを導入します。働き方を抜本的に変える巨大企業グループの動きはほかの企業にも影響を与えそうです。

NTTでは去年、従業員の働き方について、原則、テレワークに切り替え、転勤や単身赴任も廃止する方針を打ち出していましたが、来月から制度を大きく見直します。

これまではオフィスでの勤務が基本で、テレワークは申請が必要でしたが、今後、勤務場所は自宅を基本とし、オフィスに出社する場合は「出張扱い」にするというルールを導入します。

居住地に関する制限もなくし、国内であればどこに住んでもいいほか、交通費は一律の上限を設けず、航空機を使った出社も認めます。

地方の出身で東京で単身赴任をしている従業員の場合は、地元で働きながら家族と一緒に生活することができるとしています。

会社はグループの主要会社の中でテレワークができる部署を選び、まずは3万人程度を対象にルールを適用して順次、拡大させる考えで、自由な働き方で従業員の満足度をあげ、優秀な人材の獲得につなげるねらいもあります。

メルカリやヤフーなどもテレワーク原則とする働き方

メルカリやヤフーなどのIT企業もテレワークを原則とする働き方を取り入れていますが、国内従業員が18万人の巨大企業グループが働き方を抜本的に変えようとする動きは、ほかの企業にも影響を与えそうです。

NTTのように、新型コロナに関する行動制限がだんだん少なくなる中でも、テレワークを推進しようという動きはほかにもあり、メルカリやヤフーのほか、コンサルティング会社のアクセンチュアも、ことし8月からテレワークを基本として全国どこに住んでも仕事ができる新たな制度を導入する計画です。

行動制限の緩和で出社促す企業も

一方、“コロナ前”のように従業員にオフィスへの出社を促そうという動きもあります。
自動車メーカーのホンダは、感染拡大が続いていた際は、本社や研究所でテレワークを中心としてきましたが、先月からオフィスへの出社を原則とする働き方に段階的に切り替えています。

テレワークは育児や介護などの必要に応じて活用を続けるとしていますが、従業員どうしが対面でコミュニケーションを図ることで議論を活発にするなど、業務の活性化につなげるねらいです。
また、NECは、テレワークを続けるなかで、コミュニケーションが不足しがちだという社員の声もあったことから、本社内や主な拠点で交流スペースを改装したり拡大したりするなど、“リアルの場”の充実にも乗り出しています。

テレワークが定着する一方、テレワークと出社を組み合わせたり、従来の姿への回帰を目指したりと、ポストコロナの働き方をめぐって、今後、企業の間で検討が進む可能性もあります。