105歳のアスリートが現役引退 “戦った思い出を生きる望みに”
105歳の現役アスリートとして陸上競技を続けてきた広島県三次市の男性が引退することになり、支えてきた人たちに感謝のことばが伝えられました。
競技生活を終えたのは、冨久正二さん(105)です。
5年前に出場したマスターズ陸上の中国大会では、100歳以上104歳以下の部の60メートル走で16秒98の日本記録をマークし、このタイムは今も破られていません。
東京オリンピックの聖火ランナーにも選ばれましたが、新型コロナの影響で公道でのリレーが中止となり、点火セレモニーには参加しませんでした。
冨久さんは97歳になってから陸上競技を始め、自宅や競技場で練習を重ねてきましたが、コロナ禍の生活が続いたことで、体力を維持することが難しくなったといいます。
13日、引退式には陸上クラブの仲間など30名ほどが訪れ、冨久さんの引退を惜しみました。
式では、これまで活動を支えてきたトレーナーの貞末啓視さんが「共に過ごした丸8年、大いに楽しませてもらい、感動をいただきました」と、その功績をたたえ、仲間から富久さんに花束が贈られました。
冨久さんはお礼のことばを伝え「感謝」の文字が書かれた自筆の色紙を参加者に配りました。
そして、競技人生を振り返り「競技から離れても、戦った思い出を生きる望みとしたいです」と話していました。