ミャンマー スー・チー氏が率いる政党の解散を発表
軍が実権を握るミャンマーの選挙管理委員会は、民主派指導者のアウン・サン・スー・チー氏が率いる政党を29日付けで解散させると発表しました。軍は今後「公正な選挙」を行うとしていますが、軍に反発する民主派勢力を支持基盤とする政党を排除した形となるため、選挙自体の意義が問われることになります。
ミャンマーの選挙管理委員会は28日、国営放送を通じて、民主派指導者のアウン・サン・スー・チー氏率いる政党NLD=国民民主連盟が法律で定められた政党の再登録を行わなかったとして政党の登録を取り消し、29日付けで解散させると発表しました。
2年前のクーデターで実権を握ったミャンマー軍は新たな法律で、政党の条件として国内で500を超える選挙区で候補者を立候補させることなどを定めたため、スー・チー氏や幹部が軍に拘束され、党員の多くが国外に逃れているNLDは再登録ができない状態に追い込まれていました。
軍はNLDが圧勝した2020年の総選挙で不正が行われたとしてクーデターを起こし、これに反対する民主派勢力との戦闘を続けています。
今後、先月延長した非常事態宣言を解除したあとに「公正な選挙」を行うとしていますが、今回の措置で軍に反発する民主派勢力を支持基盤とする政党を排除した形となるため、選挙自体の意義が問われることになります。