厚生労働省の発表した確定値によりますと、去年1年間に、みずから命を絶った人は全国で2万1881人となり、おととしに比べて874人、率にして4.2%増えました。
おととしは前の年より減りましたが、去年は、増加に転じました。
▽男性が1万4746人で2009年以来の増加となり、
▽女性は7135人で3年連続の増加となりました。
男性は全体の67.4%を占めています。
年代別では、
▽50代が475人増えて4093人と最も多く、
次いで、
▽40代が3665人
▽70代が2994人などとなりました。
去年 全国で2万1881人がみずから命絶つ 児童・生徒は過去最多
去年1年間に、みずから命を絶った人は全国で2万1881人と増加し、中でも児童・生徒の数は過去最多となりました。
また、児童・生徒は、
▽高校生が354人
▽中学生が143人
▽小学生が17人で
合わせて514人となり、統計がある昭和55年以降、初めて500人を超えて過去最多となりました。
厚生労働省は「子どもや中高年の男性で増えていて、現在行っている電話やインターネットでの相談・支援をさらに進めるほか、関係省庁とも連携して対策を進めたい」としています。
厚生労働省はホームページなどでさまざまな相談窓口を紹介しています。
▽高校生が354人
▽中学生が143人
▽小学生が17人で
合わせて514人となり、統計がある昭和55年以降、初めて500人を超えて過去最多となりました。
厚生労働省は「子どもや中高年の男性で増えていて、現在行っている電話やインターネットでの相談・支援をさらに進めるほか、関係省庁とも連携して対策を進めたい」としています。
厚生労働省はホームページなどでさまざまな相談窓口を紹介しています。
主な電話での相談窓口
厚生労働省では、電話やSNSなどの相談窓口を紹介しています。
▽NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」が行う「#いのちSOS」
(0120-061-338)
▽一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が行う「よりそいホットライン」(0120-279-338)
※岩手・宮城・福島からは(0120-279-226)
▽一般社団法人「日本いのちの電話連盟」が行う「いのちの電話」
(0120-783-556)
▽都道府県が実施している電話相談などに接続される「こころの健康相談統一ダイヤル」
(0570-064-556)
このほか、以下の子ども向けの相談窓口も紹介しています。
▽NPO法人「チャイルドライン支援センター」が行う「チャイルドライン」
(0120-99-7777)
▽文部科学省が行う「24時間子供SOSダイヤル」
(0120-0-78310)
▽法務省が行う「子どもの人権110番」
(0120-007-110)
ホームページは「まもろうよこころ」でも検索できます。
▽NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」が行う「#いのちSOS」
(0120-061-338)
▽一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が行う「よりそいホットライン」(0120-279-338)
※岩手・宮城・福島からは(0120-279-226)
▽一般社団法人「日本いのちの電話連盟」が行う「いのちの電話」
(0120-783-556)
▽都道府県が実施している電話相談などに接続される「こころの健康相談統一ダイヤル」
(0570-064-556)
このほか、以下の子ども向けの相談窓口も紹介しています。
▽NPO法人「チャイルドライン支援センター」が行う「チャイルドライン」
(0120-99-7777)
▽文部科学省が行う「24時間子供SOSダイヤル」
(0120-0-78310)
▽法務省が行う「子どもの人権110番」
(0120-007-110)
ホームページは「まもろうよこころ」でも検索できます。
厚生労働省「まもろうよこころ」
※NHKサイトを離れます
専門家「コロナ禍で子どもたちが居場所失った可能性」
電話やSNSなどを使って、自殺防止対策に取り組んでいるNPO法人の代表は、児童・生徒の自殺が過去最多となったことについて「もともと生きづらさを抱えていた子どもたちがコロナ禍によって家庭や学校以外の居場所が失われ、その状況から逃れるために命を絶つ選択をしたケースが増えた可能性がある」と分析しています。
NPO法人「ライフリンク」は2004年から自殺対策に取り組んでいて、2018年以降はSNSなどを通じて生きづらさを抱える人たちの相談を受けてきました。
代表の清水康之さんは、去年1年間にみずから命を絶った人の数が増加に転じたことについて「コロナ禍の影響で子どもや女性の自殺が増え、去年は男性も増加に転じ、成人の男性からは所持金が数百円だという相談が寄せられている。それに加えて、子どもからも『居場所がなくなった』という相談が寄せられていて深刻さが増している」と話しています。
NPOのSNSに寄せられた相談の3割は10代以下で、20代を合わせると6割近くを若い世代が占めているということです。
児童・生徒の自殺が増えた背景として、清水さんは、もともと家庭や学校で生きづらさを抱えていた子どもが、コロナ禍によってショッピングモールをちょっとぶらつくなど自分の「居場所」や「逃げ場所」と思えていた外部との接触を断たれた可能性を指摘しています。
そのうえで、子どもの場合、自分の力だけで生きる場所や環境を変えることが難しく、そこから逃げ出す方法として自殺しか選択できない状況に陥っているのではないかと分析しています。
清水さんは「みずから命を絶った子どもが生きられなくなった条件や原因を特定して取り除いていく対策を行わなければ、子どもが生きる環境は改善されない。関係省庁が情報を一元化して多角的に分析し、原因を正確に把握したうえで改善し、『子どもが子どもとして生きられる環境作り』を早急に進めることが重要だ」と話しています。
NPO法人「ライフリンク」は2004年から自殺対策に取り組んでいて、2018年以降はSNSなどを通じて生きづらさを抱える人たちの相談を受けてきました。
代表の清水康之さんは、去年1年間にみずから命を絶った人の数が増加に転じたことについて「コロナ禍の影響で子どもや女性の自殺が増え、去年は男性も増加に転じ、成人の男性からは所持金が数百円だという相談が寄せられている。それに加えて、子どもからも『居場所がなくなった』という相談が寄せられていて深刻さが増している」と話しています。
NPOのSNSに寄せられた相談の3割は10代以下で、20代を合わせると6割近くを若い世代が占めているということです。
児童・生徒の自殺が増えた背景として、清水さんは、もともと家庭や学校で生きづらさを抱えていた子どもが、コロナ禍によってショッピングモールをちょっとぶらつくなど自分の「居場所」や「逃げ場所」と思えていた外部との接触を断たれた可能性を指摘しています。
そのうえで、子どもの場合、自分の力だけで生きる場所や環境を変えることが難しく、そこから逃げ出す方法として自殺しか選択できない状況に陥っているのではないかと分析しています。
清水さんは「みずから命を絶った子どもが生きられなくなった条件や原因を特定して取り除いていく対策を行わなければ、子どもが生きる環境は改善されない。関係省庁が情報を一元化して多角的に分析し、原因を正確に把握したうえで改善し、『子どもが子どもとして生きられる環境作り』を早急に進めることが重要だ」と話しています。
SNS相談窓口に寄せられた相談は
NPO法人「ライフリンク」のSNS相談窓口に寄せられた相談は、おととし4月は、およそ1400件でしたが徐々に増加し、去年4月には2400件ほどに上りました。
相談員を増やして対応しているということですが、去年1年間では月3000件近くで推移していました。
具体的には、
▽女子中学生からは「過去にいじめにあい学校に居場所がない。家庭では親が険悪で自分の居場所がなく消えてしまいたい」といった相談や、
▽男子高校生からは「友人との関係や部活、進路など、いろいろなことがしんどく漠然と消えてしまいたいという思いがずっとある。大人になっても中途半端なままかと思うと自分は生きていてもしかたないと思ってしまう」
という相談が寄せられています。
また、
▽女子高校生からは「小さいころから親からいつも罵倒されてきた。早く家を出たいが年齢的にもまだ無理で、お金もなく、当面出られそうにない」という相談もあるということです。
清水代表は「身近な大人に相談しても、ささいな悩みだと言われてしまうと感じている子どもたちもたくさんいると思うが、相談機関があり、私たちもみんなとつながる努力をしているので連絡をしてもらいたい。また、まわりの大人も子どもの様子を気にかけて声をかけてほしい。自殺は子どもにとって身近なものになっていて、自分の子どもは大丈夫だろうという思いは捨てたほうがいい。叱ったりアドバイスしたりするのではなく、どう思っているかを受け止め、子どもが悩みを抱えていると分かったとき大人も相談相手を見つけておく必要がある」と話していました。
相談員を増やして対応しているということですが、去年1年間では月3000件近くで推移していました。
具体的には、
▽女子中学生からは「過去にいじめにあい学校に居場所がない。家庭では親が険悪で自分の居場所がなく消えてしまいたい」といった相談や、
▽男子高校生からは「友人との関係や部活、進路など、いろいろなことがしんどく漠然と消えてしまいたいという思いがずっとある。大人になっても中途半端なままかと思うと自分は生きていてもしかたないと思ってしまう」
という相談が寄せられています。
また、
▽女子高校生からは「小さいころから親からいつも罵倒されてきた。早く家を出たいが年齢的にもまだ無理で、お金もなく、当面出られそうにない」という相談もあるということです。
清水代表は「身近な大人に相談しても、ささいな悩みだと言われてしまうと感じている子どもたちもたくさんいると思うが、相談機関があり、私たちもみんなとつながる努力をしているので連絡をしてもらいたい。また、まわりの大人も子どもの様子を気にかけて声をかけてほしい。自殺は子どもにとって身近なものになっていて、自分の子どもは大丈夫だろうという思いは捨てたほうがいい。叱ったりアドバイスしたりするのではなく、どう思っているかを受け止め、子どもが悩みを抱えていると分かったとき大人も相談相手を見つけておく必要がある」と話していました。
松野官房長官「重く受け止め 総合的な対策を推進」
松野官房長官は、午後の記者会見で「みずから命を絶つことはあってはならないことであり、小中高生や女性の自殺者数が増えていることを大変重く受け止めている。今後、関係省庁で分析を深めたい」と述べました。
そのうえで「去年10月に閣議決定した新たな自殺総合対策大綱では、特に子ども・若者への自殺対策の推進・強化や女性に対する支援の強化を掲げている。大綱に基づき、自殺予防教育の推進や子どもの自殺危機に対応するチームの構築など、関係府省などが連携し、総合的な対策を推進していきたい」と述べました。
そのうえで「去年10月に閣議決定した新たな自殺総合対策大綱では、特に子ども・若者への自殺対策の推進・強化や女性に対する支援の強化を掲げている。大綱に基づき、自殺予防教育の推進や子どもの自殺危機に対応するチームの構築など、関係府省などが連携し、総合的な対策を推進していきたい」と述べました。