不審な電話は先月23日の午前9時過ぎ、千葉県市川市の70代の女性の自宅にかかってきました。
女性は電話機の録音機能を使ってやりとりを記録していました。
それによりますと、男は千葉県内に実在する行徳警察署のナラオカと名乗り「○○さんのご自宅でしょうか」と女性の名前をあげて話を始めます。
そして「うちの署で銀行員を2人逮捕したところ、2人が『○○さんのご自宅を狙っていた』と話したものですから」と突然の電話の理由を落ち着いた口調で続けます。
警察は事件をほのめかすことで不安をあおる狙いがあったとみています。
さらに男は、逮捕したという2人の名前と年齢をあげて「知っているか」と尋ね、女性が返答に困っていると家族に確認するよう求めてきます。
このやりとりについて警察は、女性が一人暮らしかどうかなど探りを入れたとみています。
女性はここで不審に思い、警察署に電話をかけ直すと伝えたところ、一方的に通話が切れ、やりとりはおよそ2分で終わりました。
今回の不審な電話について、警察は一連の広域強盗事件に関する報道が続く中、国民の不安につけ込んで現金をだまし取る特殊詐欺の一環とみて、警戒を呼びかけています。
行徳警察署生活安全課の鈴木ひとみ課長は「今回の電話は氷山の一角で、ほかにも多く発生しているおそれがある。電話が自分にもかかってくるかもしれないと危機感を持って、改めて施錠の確認やインターホンの設置などの防犯対策を講じていただき、不安を感じたらすぐに警察に通報してほしい」と呼びかけています。
「あなたの家 狙われている」不安あおる電話相次ぐ その音声は
一連の広域強盗事件の発生以降、「あなたの家が狙われている」などと不安をあおる電話が相次いでいて、NHKは先月下旬に千葉県の女性にかかってきた不審な電話の音声を入手しました。警察は特殊詐欺の一環とみて、警戒を呼びかけています。
警察庁によりますと、一連の広域強盗事件が発生して以降、「あなたの家が狙われている」などという不審な電話が相次いでいて、先月15日の時点で少なくとも10の都府県でおよそ50件に上っています。
こうした中で、NHKは先月下旬に千葉県の70代の女性にかかってきた警察官を名乗る不審な電話の音声を独自に入手しました。
それによりますと電話の男は、千葉県内に実在する行徳警察署の警察官を名乗り、「銀行員など2人を逮捕したらあなたの自宅が狙われていた」などと切り出します。
そして、逮捕したという2人の名前と年齢をあげて「知っているか」と尋ねたうえ、家族に確認するよう求めてきます。
警察によりますと、家族構成を聞き出そうとしたとみられます。
不審に思った女性が「警察署に電話をかけ直す」と伝えたところ、一方的に切られ、やり取りはおよそ2分で終わりました。
被害はありませんでした。
警察は、不安をあおったうえで現金をだまし取る特殊詐欺の一環とみて、警戒を呼びかけています。