“寒い日もジャンパー認めず” 学校がルールの見直し決める

厳しい冷え込みとなった先月、広島市の公立中学校がジャンパーを着て登校した生徒に対し、「校則」に基づいて着てこないよう指導したというニュース。先週、NHKで報じたところ大きな反響を呼びました。

この中学校が13日、「当分の間、ウインドブレーカーなどの上着の着用を認める」として従来の対応を見直しました。

「校則」で認めず 保護者が見直し求める

この冬一番の強い寒気が流れ込み、雪が強まった先月25日、広島市立の中学校がジャンパーを着て登校した男子生徒に対して、教員が「校則」に基づき着てこないよう指導し、この生徒はジャンパーを着ないで下校しました。

翌日、生徒は発熱し、保護者はルールの見直しを求めています。

「当分の間、上着の着用を認めます」

これについて、学校は防寒用の上着に関してルールの見直しを決め、13日全校生徒の保護者に文書を配りました。

文書では、従来から校則で着用を認めているセーターやマフラーなどの防寒対策だけでは子どもの健康に影響があると保護者が判断した場合、「当分の間、制服の上にウインドブレーカーなどの上着の着用を認めます」としています。

ただ、「学校は学びの場であることを考慮して、華美でないものとし、保管スペースの都合によりカバンに収めることができるもの」としています。

学校側「生徒の健康を考えて対応した」

これについて、学校側は「これから寒くなる可能性もあり、生徒の健康を考えて対応した」としたうえで、「上着をいすにかけると、生徒が移動する際などにけがにつながるおそれもあり、安全面からカバンに入る大きさでお願いしたい」と説明しています。

広島市内では、この学校と同じようにふだんはコートやジャンパーの着用を認めていないところがほかにもありますが、厳しい冷え込みとなった先月下旬は、一時的に認めたという学校もありました。
一方、上着を着ないよう指導した今回の学校の対応をめぐっては、柔軟さを欠いた校則の運用や、校則の規定そのものを疑問視する意見がSNS上に多くあがっていました。

広島市教育委員会は、文部科学省が去年12月に生徒指導の手引きを改訂したことを受けて「学校・地域の実情や社会の変化に合わせて校則の意義が説明でき、適切かどうか絶えず見直すことを求める」といった内容の通知を今月にも市立のすべての学校に出す準備を進めています。