広域強盗 逮捕の2人 かけ子リーダーと勧誘役か 実態解明へ捜査

一連の広域強盗事件で指示を出していた疑いがあり、フィリピンの入管施設から日本に送還された2人について、警視庁は7日、別の特殊詐欺事件に関わった疑いで逮捕しました。

2人は、詐欺の電話をかける「かけ子」のリーダーと、メンバーの勧誘役だったとみられ、警視庁は8日に日本への移送が始まる残る2人を含めた4人を本格的に取り調べ、特殊詐欺グループの実態を解明するとともに、一連の広域強盗事件との関連についても捜査する方針です。

7日、フィリピンから日本に送還された、藤田聖也容疑者(38)と今村磨人容疑者(38)の2人は、2019年、金融庁の職員や警察官などを装って電話をかけ、相手に銀行口座やキャッシュカードが不正に扱われているなどと言って、キャッシュカードや口座から引き出した現金を盗んだなどとして、窃盗の疑いが持たれています。

警視庁によりますと、2人のうち今村容疑者は詐欺の電話をかける「かけ子」のリーダーで、藤田容疑者は「かけ子」など詐欺グループのメンバーを勧誘する役割だったとみられるということです。

また、グループはフィリピンに複数の拠点があったほか、タイなどにも拠点を設け、犯行を繰り返していた可能性があり、特殊詐欺事件の被害総額は60億円以上に上ることが確認されているということです。

一方、現在もフィリピンの入管施設に収容されている渡邉優樹容疑者(38)と小島智信容疑者(45)は8日に現地を出発する航空機で送還される予定で、警視庁は4人を取り調べ、当時のグループの実態を解明することにしています。

さらに4人は、一連の広域強盗事件で実行役に指示を出していた疑いがあり、警視庁はこの関連についても本格的に捜査する方針です。

フィリピン政府 残る2人 8日夜出発の飛行機で送還を決定

フィリピン政府は、一連の広域強盗事件に関連して日本が引き渡しを求めている渡邉優樹容疑者と小島智信容疑者の2人を8日、日本に送還することを決めました。

これで4人全員の送還が実現することになり、マルコス大統領の訪日前に問題解決への道筋がついた形です。

一連の広域強盗事件に関連して日本の警察は、別の特殊詐欺事件などに関わった疑いで渡邉優樹容疑者、小島智信容疑者、藤田聖也容疑者、それに今村磨人容疑者の4人の逮捕状を取り、身柄を引き渡すようフィリピン側に要請していました。

このうち、7日、日本に送還された藤田容疑者と今村容疑者に続いて渡邉容疑者と小島容疑者についてもフィリピン国内の別の事件の裁判が打ち切りになり、日本への送還が可能になりました。

これを受け、フィリピン政府は7日午後、2人の送還について関係省庁の会議を開き、日本側も参加して詰めの協議を行いました。

その結果、現地時間の8日夜に出発する飛行機で日本に送還することを決めました。