米「グラミー賞」に宅見将典さんのアルバム『SAKURA』

アメリカ音楽界で最高の栄誉とされる「グラミー賞」の各賞が5日発表され「最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞」に宅見将典さんのアルバム『SAKURA』が選ばれました。

ことしで65回目となるグラミー賞の発表は5日、ロサンゼルスで始まりました。

この中では、「最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞」に宅見将典さんのアルバム『SAKURA』が選ばれました。

宅見さんは大阪市出身の作曲家・編曲家です。

作品にちなんだ桜の刺しゅうをあしらった黒のジャケットという姿で登壇した宅見さんは「私がグラミー賞に選ばれるとは、何が起きたのでしょうか。プロデューサーや家族に感謝したいと思います」と語りました。
宅見さんはこのあと、記者団の取材に応じ「こんな名誉な賞をもらえるとは思っていませんでした。ゆっくりかみしめようと思っています。アメリカのサウンドと和楽器の融合を目指して、どちらの国の人にも聞いて頂けるような作品にしたのがよかったです。また、日本に興味をもってもらえたらと、アルバムの中の曲名はすべて日本語にしました。今回の受賞が若い人たちの皆さんの勇気につながればとも思います」と喜びを語っていました。

宅見将典さん 大阪市出身の44歳

中学生のときに「X JAPAN」のYOSHIKIさんの音楽に影響を受けて、ドラムの演奏や作曲を行うようになったということです。

20代前半にロックバンドのメンバーとしてメジャーデビューしたあと、作曲家やプロデューサーなどとしても活躍し「DA PUMP」や「EXILE」など、日本の人気グループをはじめ「KARA」など、海外アーティストの楽曲を手がけて高い評価を受けました。

2018年からはアメリカ・ロサンゼルスに移住して「MASA TAKUMI」名義で幅広く活動しています。

今回、グラミー賞に選ばれたアルバム『SAKURA』は、去年9月に発売されたアルバムで、箏や三味線など日本の伝統楽器を中心に現代的な音楽表現を取り入れた作品です。
また、長崎県佐世保市出身の打楽器奏者、小川慶太さんが参加しているバンド、スナーキー・パピーのアルバム『エンパイア・セントラル』が「最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞」に選ばれました。

このほか、ことしのグラミー賞では、ビヨンセさんが最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞など4つの賞に選ばれたことで、これまでに獲得した賞の数が32となり、史上最多となりました。

小川さん「3度目の受賞 とてもうれしく思う」

今回の受賞について、小川さんはNHKの取材に対して「スナーキー・パピーのメンバーとして3度目の受賞、とてもうれしく思っています。これを機に、僕らの音楽をもっとたくさんの人に聴いてもらえるといいなと思います。そして、このすばらしいチームの一員として、音楽を創れる環境と、いつもサポートしてくれているすべての人に感謝します。これからも応援よろしくお願いします」とコメントを寄せました。

ジャズピアニスト平戸祐介さん「本当にすごいこと」

小川慶太さんの受賞について、10年ほどのつきあいがある長崎市出身のジャズピアニスト、平戸祐介さんは「3度もグラミー賞を受賞するのは、本当にすごいことでこれからの活動が楽しみになった。小川さんは遊び心があるナイスガイで、その性格が、演奏にも反映されていると思う。小川さんは、伝統的なジャズから現代的な演奏まで幅広い演奏ができ、共演者もよい演奏ができるような化学反応を起こしてくれる。これからも長崎の文化を盛り上げていってほしいし、音楽を志す人が目標にする存在になってほしい」と話していました。